Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

リモートワーク体制

とうとう緊急事態宣言が発令された。いまだかつて経験したことないパンデミックへの対応が迫られている中,当事務所でも3月30日からリモートワーク体制を敷いている。

使っているサービス

もともとシティライツの面々は事務所に集まって仕事をするというよりは,それぞれの働き方・スタイルでやっており,もともとほぼリモートワークの弁護士もいたので,劇的な変化が生じたというわけではない。

ちなみに,業務に必要なソフトウェア・サービスとしては,以下を使っている。いずれも誰でも使っているようなものだと思われるが,数年から10年程度使用しているものばかり。

  • 文書・情報の管理・保存(Dropbox,Google Drive,Evernote)
  • コミュニケーション(Gmail,slack,Chatwork,必要に応じてzoomその他会議ツール)
  • その他(Google Calendar,ネットバンキングサービス)

小規模の人数でやっている分には,これに加えて事件管理その他の業務システムまではあまり必要性を感じていない。上記のツールで足りないものは(例えば時間の管理など),必要なときにGoogle Docs/Spreadsheetなどで足りている。

印刷と本はネックになるか

当業界において,自宅作業で支障が出やすいのは,「印刷」と「」ではないだろうか。

紙の上でないと校正ができない,精度が上がらないと言われることが多いが,私はロースクールのころから紙にするとゴミになるばかりで,そういった支障はなかった。事務所にいても印刷することは,裁判所関連か,何かの手続上の書類でどうしても必要な場面ぐらいに限られる。そういえば,シティライツでの会議用に資料を印刷して来訪者に渡したということは一度もなく,プロジェクタで不便を感じたことがない。

というより,ここ数年,老眼が進行しているので,だんだん紙が苦手になりつつある。なので,自宅にプリンタがなくて困ることはほぼない(もちろん,書面の郵送等でスタッフの力を借りることはある。)。

「本」を仕事で毎日のように利用する。わかっていることでも念のため確認することが重要だ。自炊した電子データも使うことがあるが,紙の本のほうが使い勝手がよかったというのが正直なところだ。自宅にはほぼ書籍は置いてない。

しかし,ここへきてその流れも変わりつつある。LEGAL LIBRARYなどの法律書籍閲覧サービスである(下の画面は,LEGAL LIBRARYで,宇賀先生の番号法逐条解説)。

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使うたびに新しい本が追加され,使い方にも慣れてきたので,十分な戦力になってきている。画面で本を見るとなると,それだけ視界が狭くなるが,iPadあるいはサブディスプレイを活用すれば,ノートPCのモニタが邪魔されることはない。

ある程度の割り切りを

テック系の仕事がリモートワークに移行できるのは当然であって,移行していない業界・業種の人たちに「まだ通勤してるの?」という視線で見るのは好きではない。業態,業務の内容が違う以上,リモートワークへの移行のハードルは全然違うし,リモートワーク可能な業界の人の暮らしや仕事も,そうでない業界の人があってこそ成り立っているからだ。

とはいえ,オフィスワークである限りは,いきなり週5,フルでリモートワークにするのはハードルが高いとしても,「紙」とか「本」とか,その他個々の障壁になっている事象についてある程度割り切りをすれば,週2だけ,半分だけ移行するといった部分的移行はいけるのではないかと思う(半分リモートワークするというのは却って非効率という声も聞こえてくるけれど,それこそ割り切り。今は接触を減らすときなので。)。

実は最大の障壁は・・

と,ここまで書いていて,私の目下のリモートワークの最大の障壁は「椅子」である。オフィスの椅子はそこそこいいものを置いてるので長時間座っていても腰が痛くならないが,自宅ではダイニングチェアなので,長時間のデスクワークには明らかに不向き。オフィスチェアは場所取るし・・そこの割り切りはなかなか・・