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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

A級順位戦ラス前解説会@東京将棋会館

名人への挑戦者を決めるA級リーグ戦,全9回戦のうち,8回戦,9回戦は一斉対局となる。いわゆる「ラス前」の8回戦からは,解説会が行われる。


2月1日のラス前解説会に,息子と行ってきた。昨年は,最終局(いわゆる「将棋界の一番長い日」)を見に行ったが,それ以来の解説会。


A級棋士10人による全5局が同時進行する。対局開始は10時だが,持ち時間各6時間で,昼食,夕食休憩があるので,だいたい終局は深夜0時から1時くらいになる。千日手指し直しなどになると,さらに遅くなる。解説会は,すべての対局が終了するまで行われる。


解説は18時開場,19時開始。ツイッターのTLを見てると,すでに18時前から行列ができているらしい。18時半に将棋会館で息子と待ち合わせて入場すると,すでに残席ほぼゼロ。ぎりぎり二人分の座席を確保したが,かなり後ろのほうで,大人でもほとんど盤面は見えない。19時になるころにはすでに立見客がずらり。その後もどんどん人が増えてきた。


この日は,日ごろの疲れと,盤面がイマイチ見えないことで(手元のiPhoneで携帯中継を表示させて,かろうじてついていくという感じ),何度も居眠り状態。。それにしても,木村八段の解説(というより面白トーク)は,神レベル。これはお金を取れる解説会。


まぁ,普段はあまり見かけない風体の人もたくさんいて,近寄りがたい雰囲気もあるのだけれど,女性ファンが増えたことで,会場にもたくさん若い女性が来ていた。


同時に対局が進行するので,適宜,「次は橋本・谷川戦に行きましょう」などと切り替えられる。大盤は一つなので,そのたびに係の奨励会員が,セカセカと駒を並び替える。効率を考えると,PCとプロジェクタでやったほうがよいのだろうけれど,このアナログ感もよい*1


結局,11時過ぎに親子そろって疲れてしまって帰宅。しかし,その時点では一局も終わっていなかった。帰宅後,ネット中継で続きを観戦した。羽生・渡辺のゴールデンカードは,最後の終局で,羽生三冠が勝ち,名人挑戦に大きく前進した。そして降級争いは橋本八段が勝ったことにより,相当な混戦となった。


結局,のべ何百人が来場したのかわからないが,順位戦の解説会は,同時に多数の対局があることや,仕事帰りの時間から開始しても,いい場面がみられるので,非常に優良なコンテンツだといえる。昨日感じたことは・・

  • これだけ「金のとれる」コンテンツであれば,何時間も立見を強いるようなことはせず,どこかのホールなど,もう少し快適な場所を確保したほうがよい(深夜まで使える場所があるのかどうかわからないが・・)。座れたとしても,真ん中より後ろだと,ほとんど大盤見えないし。ただ,将棋会館でやることの醍醐味は,対局終了後の対局者が下りてきて自戦を解説してくれる(場合もある)こと。近くにいい場所があればよいのだけれど。
  • 書籍などの物販コーナーを併設すれば,かなりの売上が見込めるのではないか。
  • 参加者は高段者から初心者までレベルがさまざまなので,複数会場にして,レベル別に解説するということも考えられる(これはヒロすけさんもツイートしていたが)。

*1:木村八段が,途中で登場した中村修九段(木村八段の奨励会当時の幹事)をアゴで使うように,駒の並べ替えを指示するようなコントは,この手法でしか成り立ちえない。