Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

自由と正義2010年4月号の94頁

事務所に送られてきた「自由と正義」の「法曹養成新事情(第31回)94頁」から。


法科大学院協会のシンポジウム報告である。その中に,次のような記載がある。

既修者のうちに3回チャレンジしても短答試験すら突破できない人が4割近くいるとして


短答の合格率は,確か6-7割だったから,そもそも1回でも落ちる人は4割未満のはず。3回連続落ちる人が全体の4割というのは,どういうわけだろう?計算上はありえないはずだが。「三振した人」を分母にとって見ると,3連続足きりの人が4割いた,という意味だろうか。だとするならば,この記載はミスリーディングだ。


最後に,われらがG元院長の提言として,

「同時受験モニター」(最近に合格した実務家に同一条件でモニター受験してもらい,答案を混ぜて採点し,モニター集団の点数も公表する。)の導入が考えられる。


とても興味のある企画だが,「誰が受験してくれるの?」と突っ込まざるを得ない。少なくとも私は全力で拒否する。だいたい,今受験したら,短答はもちろんのこと,論文もかなり怪しくて,合格水準に達することができるか不安だし(このことは,TAとしてゼミをやっていると痛感する。)。


これは,受験時にピークに持っていったスキルがその後もずっと維持されることを前提としているのだろうけれど,実はそうはいかない。