Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

2014年司法試験合格発表に寄せて

さかのぼってみたら,2006年の最初の新司法試験以来,毎年合格発表の時期に合わせてブログを書いていたので,今年も少しだけ。


完全に時機に遅れているので,あまり客観的な情報を載せることには意味がないが,特筆すべきなのは,何とか合格者2000人が維持されていたところ,今年は10%削減されて,1810人になり,そのうち,163人が予備試験合格者で占められているところか。このままいけば,来年はさらに合格者数が減少し,法科大学院修了生の合格者は1500人を下回りそうな勢いだ。


なお,受験制限が変更されて,これまでの5年で3回という受験回数から,5年で5回に変更されたので,ここ数年,毎年20%以上いた「受け控え」は,今年は10%少々にまで減った(それでもアクシデントなどを除いて受け控えする理由は見出しがたい)。


また,母校を見てみると,今年初めて合格率が50%を切った(受験者ベースで47%。出願者ベースでみれば,45.7%。)。これは大学関係者も衝撃を受けているというらしい。とはいえ,全体の合格率が30%程度あったころの合格率60%と,全体で22%まで下がった今年でなお47%合格しているのは十分だとは思うのだけれど。


私は,昨年10月から6回程度だが,2回目,3回目受験生のゼミを担当したが,その結果は残念ながら1名合格,3名不合格に終わった。統計的にも,再受験,再々受験者の合格率が低い。


再受験者の合格は容易ではないが,私が見ていると,2度目以降に合格するには「圧倒的な勉強量」も必要だが,「自分を振り返って欠点と向き合う」という素直さも重要であると感じている。今の制度上,不合格発表を受けてから次の受験までは8か月しかない。受験後の4か月間は勉強に集中しきれていない人が多いので,感を取り戻すだけでも難しい。


昨年のエントリで,

  • 圧倒的な勉強時間を確保することが重要。週に70-80時間くらいを7カ月続けるくらいの意識で。
  • 確保した勉強時間を,各科目・分野にまんべんなく配分して偏らないようにする。
  • 知人,先輩とのゼミは週1,2回で十分。ただ,その頻度で答案を書く。
  • 短答では圧倒的優位を築けるように,多めに時間を確保する。現役生との差をつける。

と書いたが*1,それに「謙虚に欠点と向き合う」ということも付け加えておきたい。


統計的には2度目以降の挑戦は厳しいが,それでも今年は2回目427人,3回目324人が合格している(1回目は1059人)。再挑戦する後輩たちには何とかがんばってもらいたい。