Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

修習で思ったこと(4)

約1カ月ぶりに続きを書くことになるが,今回は「選択型実務修習」について。


選択型実務修習はどんなものか,といった話は過去のエントリ(http://d.hatena.ne.jp/redips/20081001/1222869817)に譲るが,実際,選択修習を楽しんだ私としてははこのコンセプトに共感していた。もっといえば,これだけ修習生も増えて,受け入れる側の負担も増大していることからすると,修習期間を短縮した上で,必須の修習カリキュラムを減らし,たとえば検察や裁判修習なども一部選択制にしてしまえばよいと思っていたぐらいだ。


しかし,制度が動き出したばかりの今年度は,問題がなかったわけではない。やはり時期的に二回試験直前期というのが問題であった。期間中ずっと何かのプログラムを履修するわけでもなく,空白期間が生じる。その間は,オフィシャルには弁護修習の事務所(ホームグラウンドと呼ばれる)に滞在するのだが,ここでの過ごし方がかなり中途半端にならざるを得ない。


この期間中,他の修習生と会うと,「事務所の机を借りて二回試験の勉強をしている。なんだか申し訳ない」という話がよく出た。確かに,1週間事務所にいたかと思うと次の週には別のプログラムに参加して不在になったり・・となると,事務所の側としても仕事を頼みにくいし,酷使して二回試験に影響が出ても困る,という配慮が働くのかもしれない。


とはいえ,修習の前半に選択修習をもってくるのはまずいだろう。何とかして,修習生全員が実務修習→選択修習→集合修習という順番で修習を終えられればよいのにと思う。これには研修所のキャパシティであるとか,教官の確保の問題などが言われる。しかし,それこそ場所なんて「司法研修所」という名のつく専用の場所でなくても何とかなるだろう。