Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

大学評価・学位授与機構による法科大学院認証評価

先日,大学評価・学位授与機構が発表した報告によると,4校の法科大学院が「不適合」とされ,私の母校もその1つに含まれていた。


しかし,不適合となった理由をよく読んでみると,基準3−1−1,3−1−2を満たしていない,というわけだが,つまり,本来,50人規模で運営されるべき法律基本科目*1の授業が,一部の科目で80名を超える受講生がいた,とのこと。昨今言われているような「論文作成の技術的な指導に傾斜」とか「試験委員が答案指導に関与」などといったこととは無関係であり,まったく些細な(少なくとも私にはそう感じる)ものであった。にもかかわらず,全国紙に「不適合」などと書かれたのは,不運というか気の毒というか。


確かに,形式基準を満たしていない面はあったのかもしれないが(例外的に許容される場合にもあたらないとされている),実際に80名規模の授業を受けた私にとっては,珍しく学生が多い科目だとは思ったが,さして悪質なものであったとは感じなかった。むしろ30名以下の少人数でやっていても,「教育の質」という面においては疑問を感じる科目がなかったわけではない(それはどこの法科大学院でも程度の差こそあれ,あるだろう)。


この評価はすべての法科大学院に対して行われたものではなく,よく見たら9校のみが対象で,そのうち4校が「不適合」となったというものである。*2。新聞等によれば,「4校が落第」などと書かれた記事もあったが,かなり記述の正確性を欠く。


母校が関連したこともあって,ついつい弁護調になってしまったが。

*1:司法試験の必須科目となっているような領域

*2:http://www.niad.ac.jp/sub_hyouka/ninsyou/hyoukahou200803/houka/houkadaigakuin_h200803.pdf