刑事裁判修習の配属部にて,修習生たちによる模擬裁判を行った。
これは,同じ部で修習している6人の修習生が,それぞれ2名ずつに分かれて裁判官,検察官,弁護人役をこなすというものだ。被告人役,証人役は,配属部の裁判官が担当してくださる。
結果的には,かなり厳し目のコメントを頂いたのだが,この模擬裁判を通じて痛感したのは,
聞いたことは,忘れる。
見たことは,覚える。
やったことは,わかる。
という言葉だ。中国の古典らしいが,今回ほど,この言葉にうなずかされたことはない。
ロースクールで勉強していたときは,ほとんど実際の裁判を見ることもなく過ぎていったわけで,裁判手続などは,当然「忘れる」。
刑事裁判修習に入り,ほぼ毎日,裁判を傍聴し,現実の手続をたくさん見ることになる。1ヶ月ほど経つと,基本的なパターンはだいたい「覚える」。
そして今回,模擬裁判をやってみて(私は検察官役),「わかる」という領域には程遠いが,傍聴だけで終わった場合を想定すれば,身についた度合いは段違いである。何事もやってみないとわからないことが多い。