Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

二回試験の不合格率

一般紙でも報道されていたが,二回試験の「不合格率」が過去最高だった。


http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100824/trl1008242159007-n1.htm

最高裁は24日、司法試験に合格した修習生が法曹(裁判官、検察官、弁護士)資格を得るための7月の卒業試験で、受験者223人に対し、合格は195人にとどまり、約12・6%に当たる28人が不合格だったと発表した。8人に1人が落第した計算で、合格率は過去最低だった。


受験者数は,200人少々と,私を含む1800人以上が受けた2008年11月と比べると極端に少ない。これは,受験者の中心が,2008年の旧試験合格者を対象(旧63期)を対象に行われたからだ。


ただ,今回の受験者の中には,前回の試験で不合格だった人(おもに新62期)の再受験組も含まれている。リンク先の記事では,再受験組を除いた初回受験者の不合格率が8.1%だったと報じられているが,それでもかなり高い(これまでの数年は3から6%だったはずで,それ以前はさらに低い。)。


旧63期といえば,制度末期の合格者で,司法試験の合格率が1%を切る時代の合格者である。並大抵でない実力と,度胸と,運の全てを兼ね備えているはずの人たち。なのに,不合格率がここまで高かった理由はよくわからない。


旧63期は,私が司法修習委員会の委員を務めていた関係で,模擬裁判などで接点が多く,知っている修習生も多い。彼ら(彼女ら)の結果がどうだったか,ほとんど知らないが,無事合格していればいいなと思う。


それにしても,司法試験合格率の低下,受験回数制限に加え,修習の二回試験不合格率上昇,未曾有の就職難,給与制の廃止,待遇の悪化など,これから法曹を目指す人にとって逆風があまりに多すぎる。


追記:コメントでのご指摘により,旧62期→旧63期へ修正しました。申し訳ありません。