結局,マスの募集に対して応募するという方法をとる限り,「スペック美人」しか勝者にならない。
前回の「就職活動」シリーズの最後では,
もともと考えていた別の方法に切り替えることにした
などと書いたが,要は,個別に話を聞いてもらえそうなところへ,ウェブサイトなどを通じてではなく,直接にコンタクトすることにしただけである。
話を聞いてもらえそうなルートとしては,(a)人的つながりを頼りにする方法と,(b)スキル・経験に基づいてアプローチする方法が考えられる。
(a)は,知り合い,先輩,友人弁護士の事務所をたずねたり,その知り合いを紹介してもらったりする方法である。前回,
私たちの頃は、修習担当の弁護士や指導教官から紹介を受けて、事務所訪問にいったものですが・・・
というコメントを「田舎弁護士」様から頂いたが,まさにこういう方法。
もっとも,当時は,まだ修習は始まっていなかったので,上記のような指導担当弁護士や指導教官というツテはなかったし,もともと理系・会社員出身で,身内に法律専門職もいないので,30数年生きてきた割には知り合い弁護士というのはあまりいない。
結局,(a)のルートでは,コンサルタント時代にクライアントだったお客さんの顧問弁護士や,前職の顧問弁護士を紹介してもらったりした。それらの事務所の中には,大々的に募集をかけているような事務所もあったため,リクルートの窓口を通さないと会ってもくれないかと思いきや,逆に,人の紹介であるだけに,スムーズに会って話を聞いてもらえる。
また,たまたま紹介された先生が「新人の採用予定はない」という事務所であっても,親身になってキャリアプランの相談に乗ってくれたりもいて,やはり「人的つながり」というのは貴重だということを実感した。
こういう方法は,話を聞いてもらえる可能性は高いが,一方で,自分が希望する事務所のスペックが明確な場合(規模,所在地,専門性など)には必ずしも向いていない。「とりあえず一般民事希望」ぐらいの抽象的な希望がある程度であれば,この方法が一番効果的だと思う。何より,受け容れる側の事務所・先生にとっても,大量に応募に来る人よりも,信頼できる人からの紹介のほうが,ある程度プルーブンな人が来るわけで,双方の取引コストが一番低減できる。
長くなってしまったので,(b)については,また後日。