Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

2ヶ月ローテーション

かつては,実務修習は4ヶ月×4サイクルで回っていたところ,数年前から3ヶ月×4となり,新司法試験制度の導入に伴って,2ヶ月×4まで短縮された。


弁護修習関連で出会う先生方は,ほぼ例外なく,「そりゃ短くて大変だ」とおっしゃる。「大変」になる主体は,修習生であったり,指導担当の弁護士であったり,裁判所であったり,広く国民全体であったりを指すのだと思う。


私は,昔の状況を知っているわけではないので,2ヶ月が格別短いと感じているわけでもないが,じゃっかん気になる点がある。それは,「2ヶ月」という期間が,文字通り「月」を単位に決められており,大の月・小の月や,営業日・祝祭日,季節等が考慮されていないことである。


今回のクールは,11月27日スタートで,翌1月26日に終了する。日数で数えれば,61日あるが,年末年始休日,祝日等を除くと,営業日は36日しかない。しかも,そのうち,弁護士会による集合修習,合宿や,司法研修所の出張講義,初日と最終日のセレモニーを除くと,実務に浸かれる稼働日数は30日のみである。他のクールも日数ベースでは60日〜61日ぐらいあるだろうが,稼働日数はバラツキが出るものと思われる。


加えて,年末年始は,裁判・調停の期日が入りにくい。通常,民事裁判や調停の場合,1ヶ月に1回ぐらいの割合で裁判の日が決められるが,年末年始をはさむと,12月の次の期日は2月上旬になってしまったりする。同じ事件で,修習期間中に2度の期日を迎えるケースは少ない。


もっとも,裁判や調停ばかりが弁護修習ではない。関わりのある案件数でみれば,それ以外の相談,交渉,契約等のほうが多い。これらの事案は,スピーディに進行するケースであれば,相談開始から,問題の解決まで2ヶ月の期間内で十分収まるけれど。