Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

求められる積極性

私のいる事務所には,ちょくちょく修習生が配属される。


といっても,指導担当弁護士は,私よりずっと先輩の弁護士。しかし,事務所の案件の性質上,修習生に向いた案件ばかりでもないので,その他の所内の弁護士が刑事事件などを持ってたりすると,いっしょにやったりする。


私も,登録後,はじめての接見も,はじめての公判も,当時事務所にいた修習生(62期,新62期)といっしょにやった。その修習生も,「大先生」と一緒にやる場合と違って,経験値に差がない者といっしょに事件に取り組めるということもあって,違った新鮮さがあるんだと思う。たまたまいっしょに取り組んだ修習生が優秀だったこともあり,私自身も非常に勉強になった。


さて,1月末に被疑者国選経で受任した刑事事件が,4月に公判を迎え,今回も修習生(新63期)といっしょに取り組むことになった。いわゆる自白事件で,情状弁護中心となる事件だが,情状事実がたくさんあり,この種の事件としてはやりがいのある事件だったといえる。ただ,今回の修習生は,今までとテンポが違った。


公判は1回目で弁論まで終わったので,すぐ翌週に判決が言い渡されることになった。しかし,その期日に彼は事務所におらず,法廷にも現れなかった。後から別の人から「その日はゼミがあった」ということを聞いた。まぁ,それならそれで仕方ないのだが,判決言い渡しから2週間ほど経ったが,未だに私のところへ結果(宣告刑)を聞きに来ていない。めずらしく,求刑の6掛けくらいまで下がった事案だったのだが・・


小さな事務所なので,毎日顔を合わせるわけだが,こうなると意地でも自分から「あの事件だけどさ・・」と言い出さないように決めている。