Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

社会人からロースクールへ進むというキャリア(2)

前回は主に経済的側面からの考えてみたが,次は「合格率」から考えてみる。


この話は社会人出身者に限らず,未修者全般にもいえるかもしれない。


未修者合格率が32%だということからすれば,そんな低い確率のために現在の生活を投げ打つようなリスクは取れない,という考えるのもごく自然だ。ただ,この数字は額面どおりに受け取らないほうがよいと思う。


まず,「合格しない」というリスクをヘッジするには,できるだけいい大学に入ることにすればよい。例えば過去3年間の平均合格率が50%以下の大学は受験もしない,そして入れなかったら諦める,という方法が考えられる。もちろん,いい大学に入れば安心,というわけではないが,高い合格率の大学は教育システムの品質も高いだろうし,質の高い学生が集まるから,やはり合格への道が近くなる。


そして,合格率50%という数字は,本当に受かるか落ちるか半々,ということではないと思う。やっぱりいい大学に入っても,まじめに勉強しない,不十分な準備で試験に臨む受験生は(それほど多くないが)いる。3年間,強い意思で勉強し続けた人のみを母集団として合格率を出せば,さらに率は高まるはずだ。


このようなことを考えれば,一部の大学に絞って受験し,その後,まじめに勉強をすれば,合格可能性は当初の構想どおり7〜8割まで高められると思う。さらにいえば,2回目で合格できる可能性をあわせれば,さらに可能性は高まる。


そう考えると,真面目にキャリアの転換を考える人にとっては,いくつかの前提(一定ラインの大学に合格しなければ諦める,入学後は司法試験を最優先に考えて真剣に勉強するなど)さえクリアすれば,合格率が低いことはあまり足枷にはならないのではと思う。よって,法曹への道を志す社会人にとって,「合格率が3割ぐらいなんだから諦めよう」という考えはしないほうがいい。


次は一番大事な卒業後のことについて考えてみる。