Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

三振者数

ちょっと古い資料だが,「法科大学院別受験者数・合格者数調」という資料がある。


これは,平成22年1月に行われた司法試験委員会の会議資料の一つで,法務省のウェブサイトに掲載されている。


http://www.moj.go.jp/content/000036507.pdf


昨年の試験発表終了時点で,各年度の法科大学院卒業生が,どれだけ司法試験を受験し,何人合格(不合格)し,結果的に資格喪失した人(三振した人)がどれだけいるかという経過を法科大学院別にまとめたものだ。なかなか生々しい。


これによると平成17年卒業者(いわゆる一期既修)は,2122人受験して,これまで4回の試験の結果,1512人が合格し,295人が三振している。4年間での合格率は71.25%である。この数字をとらえれば,巷で言われている「法科大学院卒業者の7-8割が合格する司法試験」に合致している。


母校LSのこの世代は,伝説の世代で,53人中,初年度で44人,累計で52人が合格している。その他に旧試験で17人合格しているので,入学した70人のうち,一人を除いて全員合格している。


平成18年卒業者(いわゆる一期未修と二期既修中心世代)は,4215人受験して,これまで3回の試験の結果,2123人が合格し,507人が三振している。3年間での合格率は,50.37%である。まだ機会はあるとはいえ,年々合格率が下がることを考えると,最終合格率が60%に達することはないだろう(この世代の平成20年合格率は,わずか15%)。


母校LSのこの世代(私含む)は,90人中,累計で72人が合格し,4人が三振している。旧試験合格者は確か3人くらいだと思う。


平成19年卒業者(いわゆる二期未修と三期既修中心世代)は,4375人受験して,これまで2回の試験の結果,1927人が合格し,61人が三振している。2年間での合格率は,44.05%である。この世代になると,最終合格率が50%に達するかどうかは微妙なところだろう。


母校LSのこの世代は,97人中,累計で72人が合格し,3人が三振している。まだ試験が2回しか行われていない(現在3回目の発表待ち)ことを考慮すると,この数字はかなり高い。


これを見てみると,受け控えが行われていたり,3回目の受験を前にして離脱する受験生が多いので,数字上の三振者はそれほど多くない。ただし,5年間での最終合格率は今後50%に達することはほぼ絶望のように思える。