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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

新試験不合格者の修了生に「厚遇」

町村先生のブログで紹介されていた下記の記事について。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061216-00000050-mai-soci


以下,上記リンクの要旨。

9月に発表された新司法試験の結果を受けて、各法科大学院がすでに修了した不合格者に対し、自習室を完備したり勉強会を催すなど、来年の合格を目指して「アフターケア」を進めている。大学側にしてみれば来年の試験で合格実績を上げられる最短距離にいる「法曹の卵」。修了生も慣れた大学で勉強を続けられるメリットがあり、両者の思惑も一致する。生き残りもかけた「厚遇」に今後も拍車がかかりそうだ。

引用終わり。


現実問題として,来年の試験に不合格だった場合,どこでどうやって勉強するのか,ということを考えておかねばならない。といっても,私の場合,そもそも再挑戦するのか,というところから考えなければならないのだが。


例の記事では,慶応,中央,法政のようすが書かれている。本学では,さしあたり幸いにも不合格者数が少なかったこともあり,私が知る限りでは,再挑戦者に対して面倒見がよいほうではないか,と思う。ゼミ・講義への出席などは,大学の方針なのか,各教員の裁量によって認められているのかはよくわからないが。


問題は,次年度以降だろう。今年は約2000人受験して,約1000人合格したから,全国で最大でも約1000人の面倒を見ればよかったところだが,来年は約7000人受験して,約2000人合格するだろうから,最大で5000人も面倒見なければならなくなる。その次の年は,さらにもっと多くなるはずだ。もっとも,三振制度があるから,現状のロースクールの定員をベースに考えれば,「新司法試験浪人生」は最大でも1万数千人だろうけれど。


そんなわけで,比較的サポート体制が厚いと思われる本学においても,次年度以降も同様のサポートが期待できると思わないし,中長期的な対策を取るという動きは今のところ学生には伝わっていない。そういう意味では,記事中の大学のように,今から中長期的な対策を取っているというのはよい戦略かもしれない。今後は,新司法試験浪人生のサポート体制が,法科大学院キラーコンテンツになるかもしれない。