Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

未修者はいつまで未修者か

実力のことではなく,呼称の問題である。


多くの法科大学院がそうであるように,うちでも昨年未修者で入学した人と,今年既習者で入学した人が合流した。そして,これまでは30人弱だったので一クラスだったが,演習科目などは合計約100人を2クラスに分けて実施することになった。各クラスともに未修,既習が同じ割合で分けられている。


気になるのは,呼び方である。出席簿上の各人の備考欄には「未修者」「既習者」と記されている。学内の掲示などでも「未修者」「既習者」という断り書きをよく見かける。われわれはいつまで「未修者」と呼ばれるのだろうか?卒業するまで?


また,「既習者2年」などと書いてあると,「昨年既修者として入学した2年目の者」のことを表すのか,「今年入学した既習者で,2年次に相当する者」を指すのかわかりにくい。先生によっては「未修者の人にもわかるように」というフレーズがいまだに出てくることもある。


新司法試験の合格人数の問題では「未修者枠を用意すべし」みたいないわゆるアファーマティブアクションを求める声すらあったという。しかし,そもそも単一の国家資格を得るための試験が一時的とはいえ2種類併存することも変なのだが,それに加えて恒常的に入り口を複数用意するのは反対だ。そんなわけで,法科大学院の中でもできるだけ早期に「未修者」「既習者」という区別,差別が消えるようになってもらいたいものだ。