Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

奨励会試験(終)

試験3日目。泣いても笑っても結果が出る日となった。


1次通過者11人に,1次免除者3人を加えた合計14人が2次試験に進んだ。ほとんど知っている子たちだった。この日の集合は午前8時(早い)。


最初に筆記試験が行われる。短い作文と,将棋に関する質問がいくつか出されたようだ。


親たちの控室は地下1階の会議室となった。今日は受験者同士で戦うのではなく,奨励会員が相手ということで,前日までとは雰囲気が違っていたが,私は耐えきれず,すぐにまたこの日も事務所へ向かった。


2次試験のメインは,現役奨励会員との対局。3局のうち,1回勝てば通過できる。しかし,この奨励会試験は,奨励会の公式対局も兼ねているので,奨励会員は,先輩の意地を見せて全力で向かってくるだろう。毎年3連敗する受験生もいるから,安心できる状況ではない。


前日とは立場が逆で,電話がかかってくれば,それは良い知らせということになる。


その日もやはり,朝から気がそぞろになる。電話をひたすら待ち続ける。11時半ころに電話がかかってきた。思わず「オッ」と声を出して電話を取ると,1局目で勝ったという連絡だった。


こんどは同門のY君が3局目までずれ込んだが最終局で勝ち,同門受験生は二人とも通過した。


結局今年は14人中,13人が奨励会員に勝つことができた。過去の記録は知らないが,かなり率が高かったと思われる。最年少,小4,9歳の受験生も合格したというから,すごいい。6級合格者12人は,ざっと見たところ,中3が1名,中1が7名,小6が2名,小5と小4が1名ずつだったように思う。関東研修会員はそのうち,9人。B1が2名,B2が5名,C1が2名(いずれも受験当時)。


奨励会に入ると,もうアマチュアの大会には出られなくなる。いくら強くなってもJT杯,小学生名人戦などの晴れ舞台に挑戦することもできない。だから,もう私が各地に連れて行くこともない(もう最近では大会に出る頻度も減ったし,引率しないことも増えたが)。それを思うとちょっとさみしいというのが正直なところ。


毎年,20人前後が奨励会に入るが,プロになれるのは年間4人。プロになるとしても平均8年から10年は在籍することになるだろうか。まさに地獄の一丁目の入口に来たわけで,ここから先は親にもしてあげられることはない。


他の将棋キッズの親ブログも,子どもが奨励会に入ったところでブログを卒業している。このブログも同様に,奨励会在籍中には長男の将棋について書くことはないと思う。そういう意味で,このブログもひとつの節目を迎えた。ただし,私自身はヘボ将棋を続けるし,今のところ興味を示さない次男が将棋を始めれば,ここで書くかもしれない。


また,このブログは本来のテーマに戻って細々と続けると思う。