Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

無念なこと

どうも仕事に身が入らず,ぐだぐだと本日のエントリ3つ目。


うちの最寄り駅を降りてすぐのカジュアルなフランス田舎料理屋。20人も入れないくらいのこじんまりとしたお店だ。ここ数日,シャッターが下りて「しばらく休業します。」という簡単な張り紙がしてある。


このお店は,長男の同級生のお父さんがオーナーであり,かつシェフとして店を切り盛りしている。奥さんもお店を手伝っていた。


2年ほど前,子どもたちのフットサルクラブのコーチ仲間として,このシェフと知り合った。それ以来,ときどき仕事帰りに"closed"となったドアをそっと開けて,後片付けと,翌日の仕込みをしているシェフに無理言ってビールとつまみを出してもらいながら,短い時間を過ごさせてもらってきた。


仕事も経歴も違うが,同じ学校に子どもが通うという同世代のパパ友ということで,地元の話題,子どもの話題,仕事やプロ野球の話など,いつも話題に尽きなかった。


私が40になった日,シェフの奥様の訃報が届いた。


奥様もお店に出ていたから,もちろん面識はある。ただ,しばらく前から体調を崩していたと聞いていた。あまりのことに言葉を失った。


本日,保育園の運動会に出た後,告別式に出席した。列席者みんなに明るくふるまうシェフと,これまた屈託のない笑顔の一人息子の姿が,多くの人の涙を誘った。


最後のあいさつ,「この幸せがずっと続くと思っていたんですが・・」という部分で,私の涙腺は限界を超えた。


告別式から8時間ほど経って,つい先ほど,シェフからメールが来た。「こんど,ゆっくり飲みましょう」と。どこまでも付き合うことにしよう。