Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

相手が落とした駒を拾う

1週間ほど前に,蒲田将棋クラブで指している長男を迎えにいったときのこと。


その日は,小中学校の文科大臣杯団体戦決勝が行われていて,大会終了後の西日本代表チーム(小中学校ともに準優勝した愛媛県のチーム)が,帰りの飛行機までの時間を蒲田将棋クラブで過ごしていた。


愛媛の松山将棋センターといえば,昨年の倉敷王将戦の後に訪問したところで,長男もいい経験をさせていただいた。

http://d.hatena.ne.jp/redips/20100809/1281361087


私が迎えに行ったときは,児島先生もいらっしゃって(長男のことを覚えていてくれたが,長男は忘れていた・・),ちょうど,息子と西日本代表の大将T君と指していた。長男よりは格上で,昨年訪問したときも負けている。


意外にも長男が善戦していて,終盤の入口で,私の目から見た限りでは「勝てそう」という局面だった。そのころ,T君の時計は30秒の秒読み。長男の時計はまだ5分くらい残っていた。


そんなとき,長男が駒台から持駒を打ちつけたとき,他の持駒(銀)を落としてしまって,T君の足元へ転がった。長男は,すでにチェスクロックを押しているので,T君の秒読みは開始している。


そんな状況でも,T君は,足元に落ちた駒を探して拾い,長男の駒台へと返してくれた。時間にして10秒弱のロスかもしれないが,形勢が不利な上,時間も残っていないときになかなかできることではないと思って感心した。


結局,寄せの途中で長男に緩手があり,逆転されてしまったのだが,勝敗よりも,私が一番印象に残ったのは,上記のこと。


将棋は,勝負の要素,娯楽の要素もありながら,相手のことを思いやる気持ちも育まれるとあれば,教育効果は高い。