Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

試験後から合格発表まで

今日で第6回,新司法試験が終わったようだ。受験生の皆さま,本当にお疲れさまでした。


例年と同じスケジュールだとすれば,合格発表まで約4カ月もある。短答試験による足切りの発表も約1カ月先。採点側の負担もわかるのだが,この期間は,本当に受験生のためにも何とか短くしてもらいたいと思う。それはそれとして,この4カ月間,どうやって過ごすとよいのだろう。


まずは,試験が終わった直後はボケーっと何もせず,ノンビリするのはよいと思うけれど,それも数日くらいで飽きるだろうから,問題はその先。


私の場合(2007年),前述の放心期間と,家族旅行を終えると,社会復帰のリハビリとして,昔のツテで仕事を始めた。ただ,余力を残しておきたかったので,週20時間くらいを目安にしておいた。そして,就職活動も初めてみたが,これが説明会をのぞいたり,履歴書を送ったりしても,ほとんど個別に声はかかることはなく,残念ながらそれほど時間はかからなかった。


「勉強グセ」をつけるのは相当苦労するが,クセが抜けるのは一瞬だ。というわけで,少しでも勉強グセを維持するために,知財法,倒産法,税法など,ロースクール時代に触れていなかった分野の入門書や,疎遠になっていたビジネス書などを読み始めた。しかし,思ったよりあまり頭に残っていない。一方で,試験前から「終わったら読もう」と決めていたのが,司馬遼太郎で,幕末・明治シリーズを図書館から借りては何十冊も読んだ。こちらは比較的頭に残っている。


受験回数制限に関わらず,試験を受けるのは1回限りと決めていたので,翌年に向けた勉強を再開することはなかった。この点は,色んな人と話してみたが,翌年受けるつもりがあろうがなかろうが,この4ヶ月間はみな形だけ学校や図書館に行くことはあっても,あまり勉強していなかったようだ。確かに気合が入りにくいのはよくわかる。だからこそ,この期間は少しでも短くしてもらいたい。


再現答案を作っている人も多かった。私は,試験後は,一切,試験の情報に触れたくなかったので,再現答案などとんでもない,と思っていた。今思えば,後輩たちのために,書いておけばよかったかな,と思うときもあるけれど,やっぱり書かなかっただろう。再現答案だけでなく,試験問題について触れている法学系の雑誌や,ブログなどにも近寄らないようにした。今ならTwitterがあるので,意図せず試験情報に触れてしまう可能性がありそうだけれど。


今振り返ってみると,どう過ごせばよかったのか,よくわからないが,とにかく4か月くらい(合格した場合には,修習が始まるまでに,さらに2か月くらい)有り余るほどの時間がある。今は,合格すれば安泰ということはなく,むしろその先のほうが厳しいことを考えれば,少しでも研鑚を続けるべきではないだろうかと思う。


そう思っていた折に,高橋先生が,

http://twitter.com/#!/kamatatylaw/status/69583860354121728

新司法試験が終わった人にとって、明日からどう過ごすかが法曹になった以後の人生を左右するよね。語学力が欠如してる人は語学、情弱の人は情弱解消。試験に出題されなっかた法律分野も勉強しないと競争に負けてワーキングプアーになるよ。


とツイートされているのを見かけた。自分的にも耳が痛いと思いつつ,このツイートを本日受験された方々に送りたい(その他にも高橋先生は,本日,受験生向けに多くのツイートをされている)。特に,弱点の克服は急務だ(修習中に「パソコンほとんど使ったことないです」という修習生がいたけれど,今どうしているだろうか・・)。