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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

集合修習1ヶ月少々経過

集合修習は残すところあと2週間少々となった。あっという間に半分以上が経過したが,予想以上にタフである。


集合修習のメインは「即日起案」にあると思う。前にも起案について書いたが,「即日起案」について説明するには二回試験のことに触れざるを得ない。


司法試験に合格し,司法修習のカリキュラム全課程を終えても当然に法曹になれるわけではなく,最後に「二回試験」と呼ばれる試験にパスしなければならない。私たちの場合,11月中旬に受験する。


この試験は,最近では6%程度の「不合格率」で,今年はさらにそれを上回るともいわれているが,冷静に数字だけを見れば「簡単には落ちない」試験である。それでも,微妙な数字で,「当然受かるんでしょ」という試験なだけに,嫌な緊張感が生じる。


試験科目は,民事裁判,刑事裁判,検察,民事弁護,刑事弁護の計5科目で,1科目あたり7時間(昼食は前に書いたように試験時間中に各自・自席でとる)で5日間計35時間に渡って行われるという,かなりタフな試験である。試験時間だけみれば,4日間22時間の司法試験よりもハードだ。


話を戻すと,集合修習で行われる「即日起案」というのは,二回試験の模擬試験のようなもので,7週間の集合修習中に,各科目あたり2回ずつ,計10日間行われる。これを逃すと二回試験とほぼ同じ環境,問題形式で臨める機会がないので,事前準備をするかどうかは別としても,雰囲気を味わうために,即日起案の当日は,みんな真剣に,集中して事件記録と格闘する。


多い日では50枚を超える答案を書くので,夕方になると頭がボーっとしてきて,腕もだるくなり,とにかく早く家に帰りたくなる。


この即日起案の結果は,研修所の教官によって採点・評価され,丁寧な講評を受ける。各教官によって分布は異なるようだが,AからEまでの5段階評価がついて返される。この評価が思ったより各修習生を一喜一憂させる。


結局,こういった即日起案が週2回ぐらいのペースであり,その合間も,2週間ぐらい前に行った起案の返却とともに講評が行われる,というサイクルが繰り返される。


なんだかんだで,集合修習中の10回の即日起案のうち,今週で9回が終わった。これから先は解説・講評が中心になる。これから行われる解説を聞いて,自分のやり方に「?」がつくと,今後,即日起案という機会を通じて修正結果を確認することができないため,かなり不安に陥りそうだ。