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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

小学生名人戦東京都23区予選

小学生将棋KIDSにとって,もっとも権威ある大会,小学生名人戦の東京都23区予選が日本青年館で行われた。


東京のみ,23区と多摩地区でそれぞれ1名の代表が選出されるが,その他は各都道府県1名。代表は,東日本大会,西日本大会にそれぞれ進み,最終的に東西の2名ずつ,計4名がゴールデンウィーク頃に教育テレビで放映される番組で対局する。よく知られていることだが,羽生名人も渡辺竜王も,その他プロ棋士多数が,この番組に出場し,優勝した。


さて,これまでの低学年の大会と異なり,この大会は5年生まで出場できる(6年生は,決勝が行われる時期が翌年度であるため,参加資格がない)。東京都は強い子が多いが,私の印象では今年はずば抜けて強い子がおらず,二〜三段の10名くらいに誰でもチャンスがある,という混戦模様が予想された。


この予選は,東日本大会に通ずる「名人戦クラス」と,主に級位者を対象とする「交流戦A・B」が開催された。おそらく昨年よりも多くの参加者があったが,名人戦クラスは,41名。それほど多くないが,半数くらいは有段者だ。


今年は,会場に「保護者控室」が用意された。昨年は,ロビー(というか廊下)に保護者がみんな座り込む難民状態が生じたので,大きな改善だ。私は,そこに1席を確保し,iPodで音楽を聞きながら仕事に集中。


対局開始から30分ほど経ったころに,長男がやってきて,予選通過した,という知らせ。幸い,強い子にあたることなく,いずれも短手数,短時間で勝ったとのこと。ただ,逆に午後の決勝トーナメントまで2時間も余ってしまった。予選から好カードがあちこちであり,熱戦は続いていた。


トーナメント進出者は21名。長男は1回戦シードだったが,表を見ると,どちらが勝ち上がってきても厳しい相手になることはわかっていた。これまた,控室で作業をしていると,意外に早く長男がやってきた。あっさり負けたとのこと。よく知っている子で強豪の4年生だったが,練習対局を含め,意外にも初手合いだったとのこと(級位者時代に角落ち下手で負けたことはあるらしいが)。


将棋の内容はいっさい聞いていないが,25分の持ち時間をしっかり使おう,ということだけ確認していたのに,だいぶ時間が余っていたようで,このことが残念だった。すごく当たり前のことだが,与えられた時間を一杯まで使ってよく考えているときのほうが勝率がよい。過去の経験では,いい成績を残した大会では,いずれも秒読みの白熱した戦いの中で,ひとつずつ勝ちを拾っていた。逆に,あっさり負けた大会では時間を随分余らせていた。ある意味,傾向がわかりやすい。


いつもなら,大会で負けて悔しい思いをすると,「すぐに千駄ヶ谷へ行く」などと「将棋の借りは将棋で返す」的な行動をとっていたが,今日の負けは堪えたのか,「(道場には寄らずに)帰る。」と。


結局,混戦が予想された都予選だが,代表は今まで知らなかった子に決まった。学年は長男と同じ2年生。少なくとも三段クラスを2名破り,他にも有段者に勝っていることから,単なる偶然とは言えない。また新たな新星が登場した。


同じ日に,多摩地区の予選が行われた。いつも道場や大会,合宿で仲良くしてくれているY君が代表に決まったとのこと。おめでとう。今年の東日本大会,そしてNHKでの決戦が楽しみだ。