Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

TAの個人面談

ロースクールの夏休み期間を利用して,TAゼミ生たちと個人面談を行った。


私が一番に伝えたいと思うことは,受験勉強における「自己管理」なので,これまでのゼミに加えて,いろいろなテーマを与えてきた。


まず,1年後期,ゼミ組成間もないころは,勉強時間を記録してもらう,ということ。勉強時間が周りの人に比べていかに足りていないか,日によってバラツキが生じるか,ということを実感してもらった。確保した勉強時間で何をやるか,というところまでは特に求めていなかった。


2年前期になると,1週間単位の時間割を作ってもらった。


http://d.hatena.ne.jp/redips/20100426/1272289195


演習科目が増え,予習の負荷が高まる中で,いかに時間をうまくやりくりするかということの重要性を実感してもらった。ただ,現実には,ほとんどの学生は(私もそうだったが)予習→講義出席の繰り返しと,定期試験直前に勉強することで終わってしまっていたように思う。


この夏休みに,本番試験(約1年9カ月先)までのスケジュールを立ててみよう,という課題を出してみた。そのスケジュールに基づいて,これからどうやって進めていこうか,という話を個人面談することにした。


ただ,現時点で,本番まで見据えたスケジュールを立てるのはいささか無理があった。2年前期を振り返りながら,どうやって勉強時間(予習とのバランスなど)を確保していこうか,という話題が中心になった。


多くの人で共通したのは,「前期は,授業に沿った予習復習以外の時間も確保しようと思ったが,現実は無理だった」というもの。では,その対策はどうすればよいか。みんなまじめなので,放っておけば,後期の科目もしんどい中で,同じように全ての時間を予習とレポートに費やすことになることが予想される。


結局は,予習やレポートの優先順位が他の勉強より高かったからこうなったというわけで,受験に向けた長期的な勉強の優先度が相対的に低かったということになる。そこで,「優先度を少なくとも予習と同じにしよう」などといっても,実効性はない。優先度を実質的に同じにするには,予習やレポートと同じように,タスクを明確化して,その日にやるべきことのレベルまでブレイクダウンするという方法が考えられる。


そうすれば,「明日までにやらなければならないこと」はどちらも同じになり,一方だけ置き去りにされる可能性は低くなる。


漫然と,「2年後期には基本書を全科目1周ずつしよう」と考えるだけでは,結果的に達成は難しい。それを,どの科目を,どの日に,何ページまで・・というところまで落としこまなければ,「明日やろう」で終わってしまう。


次に「1日に何ページ,何問できるかわからないから計画が立てられない」という声も出る。確かにこれもそのとおりだと思うが,仕事に就くようになってから,依頼者やボスに頼まれた仕事の納期回答ができないようでは,仕事は回って来ない。仕事の案件のように,毎度違うものならともかく,勉強は,相手方もいないので,作業時間の予測が立てやすいはず。所要時間を見誤ったのならば,修正し,それを計画に反映させることも重要。


あまり厳密にやる必要もないけれど,事実上1回で受かるための試験だと考えれば,時間資源は有限であり,その時間をどう使うかは合意を分けると思う。


・・などという話がメインとなった面談だった。