Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

あいさつ回り

裁判所での修習生活は3ヶ月目に入ったところだが,奇異に感じることがたくさんある。


今まで,民間企業,といっても外資系,ベンチャーでの勤務経験しかないため,お役所文化にカルチャーショックを受ける。役所全般にいえることなのか,裁判所固有のことなのか,さらには東京地裁固有の文化なのかよくわからないが,「ここが変だよ,裁判所」と思えるところは多い。


特に,4月に入って一番感じたのは,着任してきた裁判官の挨拶回りである。


裁判官室にいると,ひっきりなしに,「お忙しいところ,失礼します。このたび,○○地方裁判所(●●支部)より,東京地裁民事第△部に着任いたしました,◇◇です。」と挨拶する裁判官が訪れる。その数,多い日では1日15人ほど。


そのたびに,執務中の裁判官たちはいっせいに起立して出迎える。同期・同僚だった人が中にいれば,そこで話が二言三言弾むけれども,そうでなければ,「よろしくお願いします」と互いに頭を下げておしまい。その間,長くて30秒ぐらい。


入ってきて止まる時の立ち位置,お辞儀の角度,挨拶の内容,挨拶終了後に後ずさりする速度,部長不在時の対応など,皆だいたい同じ。こういう行動様式まで均一化していることによって,法的判断の安定性が担保されているのかもしれない。


東京には民事50部まである。50箇所もあいさつするのだろうか(総務,経理などのバックオフィス系を含めるとそれ以上?)。