Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

LIBRA2009/12

滅多に読まない東京弁護士会報のLIBRAなのだが,忙しいときに限って読んでみたくなる。


特集「民事訴訟手続と法廷技術」では,私が民事裁判修習でお世話になった畠山判事のお話がたくさん掲載されていた。

私が最近の事件で感激したのは,原告が訴状を出したのに対して,被告の方が答弁書で実質的な反論も全部書いてきたことです。いきなり被告の主張が入っていて,冒頭で被告はこの事件をこういうふうに見るということが数行で書いてあって,その後でその数行書いてあることを時系列で説明しているんです。
(中略)
こんなによく準備できた答弁書は初めて見たと思うくらい感激しました。(13頁)


裁判官をうならせるほどの書面を書いているかというと自信はないが,相手方の書面を見て首をひねりたくなることはある。実質的な反論を書かない答弁書が多くて(原告代理人としては)困ってしまうことが多い。まだ経験年数が少ないので,それほどエラそうなことはいえないけれど,確かに形だけの答弁書だらけ。これって,訴訟を提起してから実際は3ヶ月ぐらい何も動かないに等しい。それでも昔に比べると裁判は迅速処理されるようになったというが・・


ところで,61期リレーエッセイ(31頁)には,私の知人が書いている。彼の文章は私のツボなのだが,今回もなかなか面白い。こういう文章が書けるようになりたいものだ。