Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

事件の終了

弁護士になって,まだ1年10ヵ月目なのだが,まだまだ日々「初めて」の出来事が多い。


今日の「初めて」は,「訴訟の終了」である。今までの1年10カ月,訴訟の終了を経験したことがなかった(刑事事件除く)。


事務所では,基本的に事件を途中から参加させて担当を変えるということはないので,私がこれまで担当した訴訟はすべて訴状又は答弁書(あるいは審判請求書―これは訴訟ではないが。)の起案から始まる。


なので,入所して数か月は訴訟をまったく担当したことがなく,その後もポツリポツリと少しずつ増えていった程度。事務所が企業法務,特に知財関係を中心とする事務所であるので,訴訟も司法研修所の起案のようにシンプルにはいかず,それなりにボリュームがあるケースが多い。当然ながら(?)過払い返還訴訟は一回もやったことがない。


そんな感じでありながらも,2年近くやっていると,気付いてみれば10件ほどの訴訟を担当するようになり,週に平均2回くらいは裁判所へ足を運ぶようになる。少しは弁護士らしくなってきたという感じだ。


そして本日,ようやく1件の訴訟が終了することとなる(和解)。この事件は,実質的審理はそれほど多くなかったが,訴状提出から終結までは1年2カ月かかっている。というのも,合意管轄に基づいていったんは,とある地方裁判所(東京から3時間程度)に提起したのだが,民訴法6条1項の適用により,東京地裁に移送されるなどのゴタゴタ*1があり,入口にたどり着くまで時間がかかった。


もともと負けようがないはずの訴訟で,ほぼすべての請求を認める内容の和解であったので,時間はかかったがほっとしている。

*1:裁判所は「特許権等に関する訴え」に該当するとして移送決定したが,本件を審理する上で特許法はまったく関係なかった。ただ,代理人としては東京地裁に移送されてよかったと思っている。