今年の新司法試験合格者（一期既習）の方々が，ボランタリで現役LS生たちに体験談，アドバイスをしていただけることになった。
こういった機会が用意していただけるだけでもありがたいことだが，さらに，事前に在校生から質問を募り，合格者たちで回答を用意した上で，配布していただいた。
かなりのボリュームがあって，読むのに時間がかかったが，内容はとても臨場感にあふれ，示唆に富む。もちろん，私のような未修者にとって，旧試験を幾度か経験された既習者の体験を鵜呑みにはできない。それでも，「○○を重視してよかった」というコメントがあって，自分も同じように考えていたりすると，とても勇気付けられる。一方で，その逆のコメントについては，自分の考え方が誤っていないかどうか考えるきっかけを与えてくれる。
コメントを読んでいて気づかされるのは，細かい点はさておき，大枠のところでは皆さんの見解，進め方，考え方に共通点が多いところである。なるほど，学生間の風通しがよく，少人数であるということは，うまい具合に自然に情報共有が行なわれたんだろう。
会社に代表される組織においては，情報共有の重要性が謳われ，各種のベンダーらが，「情報共有のためのソリューションはこちらでございます」などと煽る。しかし，上下関係も指揮命令系統もない学生の集まりにおいて，自然にこれだけ情報共有，利用が行なわれたということは，各自が「司法試験に合格する」という明確な共通目標をもっていたからだと考えられる。
さらに，自分たちで苦労してつかんだノウハウを，何らの見返りも期待できない後輩たちに惜しげもなく提供するというカルチャーは，我々の良き伝統として，受継いでいきたいと思う。
