Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

刑法択一をやって

月曜日(4/3)から新年度の講義が始まるから,もう6週間の春休みも終わる。思ったより短い春休みに勉強したことの中から,「刑法択一」に挑戦したことについて振り返ることにする。


私は,現行司法試験受験の経験がない上に,プレテストでは意外に択一が重要視されること(http://d.hatena.ne.jp/redips/20060105/)などから,ある程度早めに択一の対策を検討しなければ,と思っていた。特に刑法については,「慣れないと厄介」と聞いていたので,昭和56年から平成17年までの過去問(530題)を春休み中に一気に解いてみた。


体系別の過去問集を購入したが,同じ分野の問題を連続してやる(例えば,強盗ばかり30問ぐらい)のは退屈だし,学習効果も低いと考えて,解く順番はランダムに行った。もっとも,時間制限は課さなかった。本番では,時間の影響はとても大きいと思うが,とりあえず以下の目的には関係ないと思って,じっくり向かうことにした。今回の目的は,(1)基本的知識の補完・確認,(2)現状の把握にある。特に,(2)を重視して,[a]やればやるほど伸びるものか,[b]特定の分野について苦手な箇所はないか,[c]みんなが正解すべき問題を間違えてたりしないか,という3つの観点で分析を行った。


この分析にあたり,問題集についていた「正答率」を利用した。この計測方法がどういうものかよくわからないだけに,どこまで信用してよいやらわからないが,まあ,参考にはなるだろう。

[a]やればやるほど伸びるものか

これは,間違いない。最初の100題の自分の正解率は60%台だったが,次の100題,100題,と徐々に上昇し,最後の100題で見ると,80%台まで上昇している。この間はせいぜい1ヶ月だから,知識が増えたとは思えないだけに,択一の問題に慣れる,という効果は十分にあったと思われる。時間が短縮されていったかどうかは,今回の作業からはわからなかったが,慣れた分だけ,スピードは速くなった気もする。

[b]苦手分野はないか

問題集で分類されていた25の分野ごとに,自分の正解率と,問題集の「正答率」を比較した。その差を見てみると,プラス30%超の分野もあれば,マイナス30%超の分野もある。それだけみると,かなりの得手不得手があるようにみえるが,そういう分野はサンプル数が少ない「罪数」とか,「盗品等罪」「風俗」などであり,有意の差とまでは言えないだろう。まとまった問題数がある「共犯」「偽造」あたりでは,おおきな乖離がないから,今のところ,手当が必要な苦手分野というのは見当たらなかったということにする。

[c]みんなが正解すべき問題を間違えてたりしないか

これは,単純に,「正答率80%以上とされる問題で,何%あってたか」というように,問題集に載っていた正答率のレンジごとに,自分の正解率を比較した。サンプル数が多いだけに,これはほぼきれいな結果となった。正答率80%以上とされる問題では,きちんと90%ほどの正解が得られたし,50%未満の問題では,やはり苦戦している。そういう意味でも,「甘い球は逃さず,きわどい球にはムリせず」ということを改めて認識した。


全体的に見ると,これをやったことによって具体的な施策が見えたことにはならないが,もともとの目的はある程度達成できたのではないか,と思う。