Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

賞味期限切れのヨーグルト

子どもが熱を出したときなど,保育園に預けられないときに,スポット的にベビーシッターさんを頼んでいる。半分ボランティアで,非常に安くお願いでき,かつ,いつも同じ人で安心できるし,当日お願いしても都合さえよければ来てもらえるので大変助かっている。


そのベビーシッターさんに関して,しばらく前の出来事だが,こんなことがあった。


その日もやはり,熱を出していて,大学から戻る前での数時間お願いしていたが,家に帰ってきたら彼女が「あのー・・」と,少し話しにくそうに切り出した。

「少し機嫌も悪くて,おなかがすいてたみたいだから,冷蔵庫に入ってた(プレーン)ヨーグルトにジャムを混ぜてあげたら,喜んでたくさん食べたんです。でも,食べ終わってから容器の賞味期限を見たら・・」

3週間ぐらい経過している,というのだ。
見た目におなかをこわした様子もなかったので,そのまま帰っていただいて様子を見ることにした。


確か,そのヨーグルトは,賞味期限切れだとわかったのだが,ゴミを出すタイミングまでは腐敗が進行しないように冷蔵庫に入れておいて,と考えているうちに,どんどん忘れて時間がたってしまったものだ。


これで,病気になった場合,責任は誰にあるのだろうか。不法行為(民法709条)の一般的な成立要件としては,過失,損害,因果関係などは揃っている。でも,冷蔵庫にそんなヤバイものを入れておいた我が家の責任もあるから,過失相殺(民法722条2項)されるんだろうな・・と,いかにも新しいことを覚えたての法科大学院生らしいことを考えていた。


結局,数時間たっても何も息子の体に変調をきたすことはなかった。それどころか,いつの間にか熱も下がっていた。