前回に引き続き著書の告知・宣伝。
本日は,出版記念セミナーで,著者2名が講演を行った。当初は,30名くらいの会場を確保していたところ,予想以上にお申し込みをいただき,結局100名ほどの方に来場いただいた。日ごろからお世話になっているクライアントや,同業の知人など,知っている方からも多く申し込んでいただき,大変うれしい。
私は,60分ほど時間をいただいて,運用中のトラブルについて説明した。限られた時間だったので,あまり総花的な話はせず,関心が高いであろうと思われる「責任限定条項」を中心に話をした。この論点は,実体法の問題(条項の有効性,限定解釈等)と,事実認定の問題(責任限定の対象事故にあたるか,あるいは除外事由に該当するか等)が複雑に絡み合う上に,結果を左右する。やはり終わったあとも,ベンダ・ユーザともに責任限定条項については関心が高かったようで,いろいろと質問(というか愚痴も)を頂いた。
あまり楽しい話ができるテーマではなかったが,唯一,会場でウケたと思われるのは,情報漏洩に伴う賠償額のうち,本人に対する賠償額(慰謝料)に関する次の話。
事業者の中には,個人情報が流出した場合の賠償額として,一人500円が相場であると理解されている人もいますが,裁判実務はそうではありません。裁判例では,10000円,30000円などの事例があります。
自主的に謝罪として渡した金額が500円相当という事例はありますけれど,これも各企業の判断ですね。先日も株主情報が流出したという事例で,3000円分はらった会社,1000円分だった会社,500円だった会社,梅干しを送った会社など,バラバラです。
- 作者: 松島淳也,伊藤雅浩
- 出版社/メーカー: レクシスネクシス・ジャパン
- 発売日: 2015/06/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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書店に並ぶのは来週のようです。