1カ月ほど前になるが，10月14日に，「平成２５年度 個人情報の保護に関する法律 施行状況の概要」が公表された。
http://www.caa.go.jp/planning/kojin/pdf/25-sekou.pdf
これは毎年10月頃に公表される個人情報に関する資料であり，実務上の感覚を知る上では非常に貴重なものである。同法を所管する消費者庁のウェブサイトには，平成17年度以降，各年度の施行状況の資料が掲載されている。
http://www.caa.go.jp/planning/kojin/index_sub001.html#m02
このうち，いくつかをピックアップしてみると，まず目に付くのが主務大臣の権限行使状況。毎年，主務大臣の勧告，助言，報告の徴収は，ほとんどが金融庁長官によるものだが，平成25年度も金融庁以外の事例はなかった。平成25年度は特に「おとなしい」年で，勧告も助言もゼロ。報告の徴収がわずかに2件あるのみだった。
16頁のグラフ，施行状況の推移を見ればわかるとおり，勧告，助言はほとんど出ていない。なお，平成26年度は，5年ぶりに「勧告」が出ているが，本報告書の期間の対象外である（今となっては貴重な小渕大臣のベネッセに対する勧告 ― 平成26年9月26日 http://www.meti.go.jp/press/2014/09/20140926002/20140926002a.pdf）。
事業者から報告があった個人情報漏えい事故は366件だったが，近年は横ばいである。5万件を超える漏えいが認められたのはそのうち18件であった（最大は約1200万件）。5万件を超える事件の具体的な中身は，37頁以下に個別に紹介されている。
