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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

JT将棋日本シリーズ東京こども大会

題記の大会に参加。子供向け将棋大会としては日本最大と思われるイベント。



http://www.jti.co.jp/knowledge/shogi/k_taikai/index.html


小学校低学年の部に約600名,高学年の部に約900名参加したとのこと。


会場では,道場の仲間(およびその家族),ブログを通じて知り合った人たち,同じ小学校の友だち,その他大会で知り合った人たちなど,たくさんの人と会って,いろいろと話すことができた。


予選は最後の相手に危ない場面があったらしいが,なんとか3連勝で,決勝トーナメント進出。昨年は,予選1局目,しかも最初の5分間で決勝トーナメント進出の夢が破れたことを考えると,まあ親としてもひと安心。


決勝トーナメント(約80人進出)の表を見てみると,3回勝つと,千葉の強豪(というか,低学年の全国トップレベル)M君と対戦することになる。とらぬ狸の皮算用だが,滅多に対局できない機会だけに,そこまでは何とかいけたらなあと思った。


一回戦,二回戦,と特に危なげなく勝ったが,三回戦で負け(ベスト32)。相手は千駄ヶ谷で二段だとのことで,実力から考えると負けもやむなしだったが,M君と対局できなかったのは残念。結局,低学年の部を制したのはM君である(優勝者に負けたのであれば,胸を張れただろうが)。


三軒茶屋道場の仲間たちも健闘した。低学年の部では,ベスト4,ベスト8が一人ずつ。高学年の部の優勝者も,何回か道場で見かける子だった。


1年生でベスト32まで進んだのだから,まあ健闘したといえるか,と思ったが,並みいる強豪に打ち勝ってベスト4まで進んだ1年生もいる。長男としてはいい刺激になったようだ。


昨年は,右も左もわからぬ状態で参加した大会だったが,今年改めて見渡してみると,大会運営のノウハウがJTに蓄積されており,運営が手際よい。ただ,この大会で今回感じたことが二つある。


その1。大会参加の敷居を下げるという意味では非常に意味がある大会だが,その反面,対局マナーが悪い子も多く,トラブルも起きやすい。最近,割と落ち着いた大会に出る機会が多かっただけに,それが目についた。長男の予選2局目の相手は,かなり手癖が悪く,指し直しや無駄口などもあり,大変だったらしい。


その2。プロ棋士の対局の前に,決勝戦まで行わなければならないという時間的制約があるため,大会ルールとしては珍しい「持ち時間10分切れ負け」。どんなに有利に指していても,あと1手で勝ち,という場面でも時間切れだと負けてしまう。まぁ,それがルールなので,対局者間では平等だといえるが,どうしても将棋が荒くなる。長男も,最近は割と時間を使うようになってきたので,この点はかなり気にしていた。


とにかく序盤で相手より時間を使ってしまうと,手数が長くなることは負けを意味するので,どうしても早指し競争のような将棋になる。準々決勝の場面を見ていたが,ここまで残っている子は,みんな「切れ負け」を意識する余り,初手から超スピードで指していく。


この荒っぽさというか不合理さには疑問が残るが,さりとて時間的制約と両立させるほどの妙案もない。まあ,結局勝ち残っているのは強い子ばかりなので,どんな条件でも強い子は強い。


追記:

本日の大会,サプライズゲストとして羽生名人が来ていた(賞状授与役)。たまたま,今日帰る時に,会場隣のコンビニに入ろうとしたら,スタッフから見送られて通用口から一人で帰ろうとする羽生名人と遭遇(なんだか最近,たまたまトップ棋士を間近で見る機会が多いなあ)。「えぇ,えぇ。ここまでで結構ですから。一人で帰ります。じゃあ。」とかなんとかお話しながら,羽生名人は,そのまま駅の入り口へと徒歩でスタスタと爽やかに歩いて行った。何ともいえぬオーラが出ており,おいそれと声をかけることもできなかった。


プロ野球一軍選手並の年収を得ても,フェラーリやポルシェで会場に乗り付けるということもなく,ショーファー付きのクルマというわけでもなく,徒歩&ゆりかもめ,というところが名人らしく,そしてまた,親しみを感じる。