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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

JT将棋日本シリーズこどもチャンピオン大会

12/11に開催されたチャンピオン大会。全国の大会で優勝した(+東京は準優勝も)低学年,高学年各12名が集まった。


これは,「こども大会10周年記念」として初めて開催された大会で,対局以外のイベント,企画が盛りだくさんの大会。


10:30に集合すると,羽織・袴に「着替え」タイムがある。控室には,それぞれ24家族分のテーブルと人数分の弁当も用意されている。地区の大会では,決勝の1局だけが羽織・袴だったが,今回は全対局この姿で行われる。慣れない姿にみんな緊張するんじゃないかと思った。


大会ルールは,スイス式4対局,20分切れ負け。ただ結果的に,低学年では切れ負けとなる対局はほとんどなかったように思う。


第1局の対局相手は,スイス式だけに重要。何人か当たりたくない子がいるなーと思っていたら,なんとか抽選でその子を外して四国代表の子と対局することに。ただ,全国を勝ち上がっているだけに,誰でも強豪とみて間違いない。


開会式も,ふだんの対局とは違う。ステージ裏から,各地区ごとに選手が紹介されて登場。米長会長,谷川九段らのあいさつが行われる。


さて1局目,低学年は10分もたたないころから結果が出始める。長男が対局している間,全6局のうち,残りの5局が終わって,うちだけが対局し続けていた。横歩取り8五歩戦法(長男が後手)から,かなりの乱戦模様となるが,上部に逃げだした相手玉がなかなかつかまらない。相手,残り時間が1分を切って,切れ負けの危険が出てきたところで,詰まして勝利。


1局目の注目カードは,東京BのO君と,中国代表のM君(兵庫)。決勝で当たってもおかしくないカードだったが,ここはM君の勝ち。


2局目,長男の相手は,静岡代表の女の子(愛知。全出場者中,女の子はひとりだけだった。)。こんどは長男の先手。相手のゴキゲン中飛車から,長男は5八金右の超急戦を選択。あとから相手の子に聞いてみると,5八金右はほとんど指したことがなかったそうだ。ただ,うまいこと相手玉を追い込んで,優位を築いていたのだが,ぬるい手を指したときに,いっきに13手の即詰みに仕留められる。指した瞬間,相手の即詰みに気付いて,「何とか気付かないでくれ」と思ったそうだが,その時点で10分以上も自分の持ち時間が余っていたことを思うと,「この残り時間では言い訳はできないな」(by勝又先生)というわけで,この時点で壇上決戦への夢はほぼ消滅。


このときの感想戦は,勝又先生もリードしてくださり,早く終わったということもあって,かなり丁寧に。相手の子,しっかり読み切っており,勝又先生も感心。負けて残念だったが,こういうところからまた一つ学んでもらえればいいなと思った。


3局目,福岡代表(東京)。何度か対局したことのある子で,馴染みの相手だったということもあり,勝ち。


4局目,北海道代表(千葉)。こちらも親子そろっての友だちが相手ということで,対局前からにこやかな雰囲気。最後にずいぶんねばられたが,勝ち。


結局,全勝は中国代表のM君で,3勝1敗で,上記静岡代表,東京B代表と,長男の3人。1位と2位が,壇上で決勝戦を戦うことになっていたが,スイス式のポイントから,静岡代表の子が2位となる。長男は結局,4位(優勝は,M君)。


さて,ここで対局相手を紹介するのに○○代表(△△)というややこしい表現を使っていたが,JTこども将棋大会の地区大会は,居住地による出場制限がないため,他の地区に行って参加することもできることに関係する。ただ,複数の地区で決勝トーナメントに進むことができない,という制限はある。今回,長男が対局した相手はたまたま4人とも出身地域と,代表となった地域が異なるため,表現が紛らわしくなった。


このまま,低学年,高学年の各決勝戦をステージ上で,プロ棋士の解説付きで行うところまでは,普通のJT大会と変わらないところだが,ここから先も大会は続く。


まず,JTのある虎ノ門から懇親会会場のホテルオークラへ移動するのだが,歩いていける距離を観光バスに乗っていくという。各地方から来た参加者のために,東京タワー,皇居,国会議事堂その他都心のランドマークを車窓から小1時間観光。


懇親会会場には,谷川九段,佐藤康光九段,森内九段,郷田九段,阿久津七段をはじめ,10名くらいのプロ棋士が参加してくださり,各テーブルに1-2名がついてくれるという豪華ぶり。ポラロイドカメラを持ったJTレディーが,プロ棋士と並んで写真を取ってくれる。それにしても,谷川九段の気品というか,おだやかさというか,イメージどおりで感激。


そのままホテルオークラで宿泊。40分ほどで帰れるわが家もしっかり泊まらせてもらった。参加賞としてJT日本シリーズに参加した12名全員の棋士のサイン入り将棋盤(1寸)と駒をもらったので,夜も各地区の子どもたちが集まって対局が続く。親たちの小宴も続く。


子どもたちの野試合は,翌朝のホテルのロビー,そして最後は千駄ヶ谷将棋会館まで続いた。長男も久しぶりに千駄ヶ谷へ行き,各地区の高学年,低学年代表と手合いがついていた。結果は10勝5敗,まだまだ昇段には道のりが遠いけれど。


ここまで至れり尽くせりの大会を開催してくれたJTにまずは感謝しなければならない。ただ,このチャンピオン大会は,10周年記念なので,今年限り。さっそく長男はJTに手紙を書いて毎年やってもらうようにお願いする,といっていた(ただ,出場するには,地区で勝たないとダメなんだけれど)。


そして,単なる1位を決める大会で終わらず,懇親会などを通じて,各地区の代表者,その保護者の方々と知り合いになれたのも大きい。同年代で将棋を続けていれば,またいつかどこかで対局することもあるだろうし。


二日間,あっという間に過ぎた。