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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

運営委員会

本日,長男・次男が通う保育園の「運営委員会」に出席してきた。


東京都認証保育所事業の実施要綱3(1)カ*1によれば,

3 事業内容
 (1) 認証保育所A型
  カ 運営委員会の設置

   設置者は、利用者等の意見を聴取するなど、利用者の立場に立った良質な
   保育サービスを提供するため、各施設に運営委員会を設置すること。
   委員会には、社会福祉事業について知識経験を有する者、当該認証保育所
   の保育サービス利用者(これに準ずる者を含む。)及び認証保育所設置主
   体の実務を担当する幹部職員を含むこと。


となっており,私の場合は,上記の「当該認証保育所の保育サービス利用者」の資格に基づいて委員に選任されたようだ。


そして,指導監督基準の【運営管理】における,1運営方針(5)運営委員会の設置によれば,

委員会は年2回以上開催することが望ましい。


となっている程度で,実際にも1年に1,2回程度の開催にとどまるようで,大した負担ではない。


委員会に参加してみて,行事の運営方法,契約時間に関する決め事,安全・衛生面,緊急連絡網の整備など,多方面にわたる課題があることに改めて気づいた。あくまで私は,保護者らの代表として何らかの委任を受けているものではないし,当委員会が何かの意思決定能力を持つ機関でもないので,純粋に私見を述べればよく,気楽なものである。


ただ,こうした問題を検討していくと,「認証保育所の限界」というものが出てくる。認証保育所は,認可保育所を補完する位置づけにあり,特に0,1歳の待機児童を減らそうという趣旨のもと,設置基準が緩くしてある。そして,定員は,上記の趣旨に則り,0,1歳児が多く,3歳児以上は少ないのが一般的だ。そうなると,0,1歳児のときによい保育が行われ,利用者が満足しても,ずっとそこでお世話になるのが難しくなる。逆に,保護者の希望に応じて,幼稚園や認可保育園に移らないで契約を更新していると,定員オーバーということで,行政からの改善指導を受けたり,最悪の場合には,認証が取り消されることになる(実施基準16および17)。制度間の趣旨が違うので,認証保育所で保育を受けた幼児が優先的に認可保育所や幼稚園に入れるかというとそうでもない。


というわけで,どういう利用者のどういうニーズを拾いながら,認証保育所の運営を考えていくかというのは,なかなか難しい。