Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

中だるみ

ツルオさんのブログの中で,私が以前に言及したことと似た話が書かれていたので,思わず反応したくなった。


私がロースクールに転じて驚いたのは,「世の中には,遊びたい盛りなのに,勉強に没頭している若者がこんなにもたくさんいるのか」と,ということである。法曹になる,という明確な目標意識を持ち,自らをストイックな環境に追い込む彼らの姿を見て,「今のうちにさ,もっと楽しいことをしておいたほうがいいよ」と皮肉を言ったりするときもある一方で,「うらやましいなあ」と感じることも多かった。


しかし,ここへきて少しそういった雰囲気が微妙に変わってきているのかな,と感じるときがある。まあ,2年,3年という長丁場だから,ときには息抜きというか,中だるみが生じてしまうのは仕方ないだろうが,ロースクール全体に張り詰めていた緊張感が緩みだしたような気がする。その一つの表れとして,遅刻問題もあるんだろう。もちろん,そういう中でも高い緊張感を持ち続けている人のほうが多くを占めている訳だし,自分も「ダラダラしてしまったなあ」と感じることも多いののだが,そうした緩んだ雰囲気を学生だけでなく,先生方も感じ始めているのが気になる。


一方で,年長組は,相変わらずストイックな姿勢を崩さない。周りのそういう姿勢が,私のモチベーション維持に非常に役に立っている。この違いは,単に「社会人経験があるから」という理由だけではなく,もう少し現実的に,「授業料や生活費を自分で払っているか」という違いによって差があるように思える。前にも書いたけれど,法科大学院の授業は,本学の場合,1コマ約3000円相当である。そうなると,たとえ司法試験に関係ない科目でも,無駄に過ごすのはモッタイナイ。周りの雰囲気が悪くなることによって,授業の価値が下がれば,それだけ全体にロスが生じる。・・・なんてことを考えると,自分のフトコロを痛めた以上は,安易に遅刻したり,無為に過ごすことができなくなるのである。


もっとも,そういう外的にみえる緊張感の高低と,大学での成績や,最終的な試験の合否との相関はわからない(検証できないし,おそらく,それほど相関は高くないと思うから,あまり偉そうなことが言えない)。