Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

ライブドアと転職

このブログでは政治,経済などの時事問題にあまり言及しないことにしているが,いまさらながらライブドア関連について少し。


私が気になるのは現在のライブドア社内のようすである。ITバブルの頃に30才前後だったわれわれは,今でも多くの知り合いがベンチャー企業の経営者だったり,従業員だったりする(私もそうだった)。でも,ライブドアに知り合いはたぶん,いない。


あくまで私の感覚だが,IT系ベンチャー企業に共通するカルチャーとして,1つ目が,ハードワーク。1日12時間どころでなく,15時間,18時間働く,というのを誇りに思っている人が多い。そして,2つ目は低い愛社精神(一部の創業者を除く)。これには,傍から見ると,わざわざリスクをとって転職したり,創業するのだから,愛社精神は高いのではないか,という異論があるかもしれない。でも,そもそも組織に寄りかかろうというマインドがない人が集まるのだから,組織に期待しないのは自然だ。そして,期待しているのは自らのキャリアアップだし,高いサラリー,インセンティヴであって,長く安定して勤めることではない。肌に合わなければ辞めればよいという感覚のほうが強い。


もちろん,これは先にも断ったように私の少ない経験から感じたことに過ぎないし,同じITベンチャーでもカルチャーは千差万別だ。そこで,さらに推測すると,ライブドアの場合,上記のカルチャーは,より一層当てはまるんではないのかな,と思う(特に低い愛社精神)。


そこへきて,この状況。マスコミは執拗にバッシングを繰り返す(この報道には感心できない部分も多い)。下手をすると,社員の流出に歯止めがかからない可能性がある。転職マーケットにも,ex-ライブドア社員が供給されてくるだろう。


かつて,外資コンサルティング会社が大量のリストラを行ったとき,転職マーケットに多くの人材が供給され,(採用側としては)好条件で優秀な人材を確保することができた。今回もそうなるのかな,と思ったけれど,ライブドアって結局どんなビジネスやってたのかまったくわからないから,採用する側も二の足踏むだろう。採用面接で聞きたいネタはたくさんありそうだけど。というか,そもそもこんな話じたい,余計なお世話だけれど。