Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

ペニーオークションその2

最近になって,ペニーオークションに対する認知度が高まり,他方で注意喚起も目立つようになってきた。


ペニーオークションについては,以前このブログでも触れたことがある。

http://d.hatena.ne.jp/redips/20100412/1271078142


当時(8か月前)ですら,N匹目のどじょうがたくさん溢れており,違法性,不当性のリスクがある中で,どこまで続くのか疑問が生じていたところだ。


そして本日,国民生活センターからも注意喚起がなされた。

http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20110124_1.pdf


同センターへの相談事例には,

【事例1】入札に没頭し、手数料ばかりかかってしまった
【事例2】途中でやめるとポイントが無駄になると思い、入札し続けた
【事例3】落札したものの、高額請求に
【事例4】サクラの可能性に不審
【事例5】落札したが、出品商品が未入荷で取り消しに

がある(上記pdfファイルより抽出)。


ペニーオークションの拡大には,芸能人が一役買った,という記事もある。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1101/24/news077.html

iPadを855円で落札」──「アメブロ」でブログを書いている複数の芸能人が、「ペニーオークション」と呼ばれるオークションサイトで落札した体験談をそろってブログに掲載していたことがネットで波紋を広げている。
(中略)
 昨年秋以降、ほしのあきさんや東原亜希さん、永井大さんなど複数の芸能人が、ペニーオークションの利用体験談とオークションへのリンクを自らのアメブロに掲載していた。


また,以前より,この仕組みには事業者によるサクラ行為が可能であることが指摘されていた。そんな中で,こんな記事もあった。


ペニーオークションでサクラやbotが使用されている証拠」

http://getnews.jp/archives/94444


一部だけ引用すると,

先日、閉鎖したペニオクサイトを探していたら、検索結果に気になるものが出てきて、それを解析したところペニーオークションでサクラの証拠が出てきた。

たまたま閲覧可能になっていた事業者のログファイルを解析した記事である。

これはあくまで推測だが、落札されたくない商品に対してあるユーザーが入札を行い、それに対抗するためにテスト用のアカウントにコインを与え、それで落札を阻止しているのではないだろうか? 落札履歴はサイト上に残っているので照らし合わせてみたが、打倒と名指しされたユーザーと、運営者アカウントが競り合い、最終的に運営者アカウントが落札した様子がはっきりと記録として残っていた。

そして,ログの中に,

「さくら」(運営者アカウント)とある。

ああ…。

という文字列まで発見される始末*1


ただ,この記事は,このようなサクラらしき行為をする事業者までもネットコンサル業の被害者だ,として多少同情的である。


いずれにせよ,すでにこのサービス,過当競争になっていることは確実で,業者は生き残りをかけて無理な集客,無理なサービスを行っている可能性が高い。そのしわ寄せはもちろんユーザに来るわけで,利用にあたっては十分な注意が必要である(というか,もはや期待値で見れば,市価より安く買えるということはないだろう)。

*1:もちろん,この事実だけで100%サクラ行為があったとまでは断じれないところであるし,全てのペニオク事業者がサクラ行為を行っているというわけではない。