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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

はてなRSSの終了

はてな」のサービスの一つ,「はてなRSS」が6月30日をもって終了するという。


私はブログで「はてなダイアリー」を使っていることから,RSSリーダーも「はてなRSS」を使っている。「はてなアンテナ」というサービスもあるようだが,特に違いを意識することもなく,「はてなRSS」を使い始めていた。


始めてRSSリーダーを使い始めたころは,確かgooリーダーを使っていた。ユーザインターフェースには優れていたが,クライアントにソフトウェアをインストールする方式だったので,違うPCだと使いづらく,またときどきバージョンアップを要求されたりして,いつの間にか使わなくなった。


はてなRSS」もユーザインターフェースはよいほうではないし,いまいちだな,と思っていたが,

しかしながら、今後のサービス開発計画では他サービスや新サービスの運営に注力を行っていく予定となっており、はてなRSSを発展させる方針がありません。満足の行くサービス品質を維持することが難しくご迷惑をおかけすることになりますため、今回サービスを終了させていただくことにしました。


とあるように,はてな自身,あまり戦略的なサービスとは位置づけていなかったようだ。


ところで,インターネットのサービスは,大きな資本を投下しなくても気軽に始められる一方で,撤退のハードルも低い。こうしたサービスの利用規約を作成・レビューする立場からすると,気にするポイントの一つが「事業者都合によるサービスの中止・停止」に関する記述である。


事業者とユーザの間には,サービスの利用契約(準委任契約―民法656条だと考えてよいだろう)が締結されているので,いちおう民法651条(委任の解除)により,どちらの当事者からも一方的に解除できる*1が,第2項により損害賠償義務を負う場合があるので,この点について事業者としては免責範囲を広くしておきたいところだ。


規約上に「事業者都合により,いつでもやめられます。いっさい損害賠償責任を負いません。」となっていても,常にそれが有効だとは限らない(消費者契約法等)。しかも,はてなの場合は,他のサービスは継続して行うわけで,事実上,放置することはできない。


そんなわけで,今回,はてなからは,「はてなアンテナ」ほか,他社のRSSリーダーへの移行方法までも紹介されている。ある程度は手作業で行わなくてはならなさそうだが。


まだ移行期間はしばらくある(6月30日まで)ので,どのサービスに移るか,しばらく検討してみることにしよう。

*1:請負の場合は一方的解除ができるのは注文者に限られる(民法641条)。