法律を勉強し始めてからまもなく1年半になるが,いろんな人と話したりメールしたりする中で,世間では意外に法律に関する誤った知識が語られていることがある。
例えば,
- 「民法上,瑕疵担保責任の時効は1年で,特約によって10年まで延長することが認められていますが,瑕疵担保責任を負わないという特約は認められていません」
- 「どうせこっちとしては契約する気はないけれど,営業活動として相手方が勝手にやっている限りは,何やらせても,あとから金銭を請求されることはない」
など。部分的に正しく,部分的に間違っている。このほかにも,離婚・相続に関する話や,取締役の責任,訴訟手続などの話題で「あれ?違うんじゃない?」という話が会社関係,友人との会話などで出たりする。
誤った知識を語る人は,もちろん悪気があって誤情報を流しているのではなく,真実と信じて語っている。しかも厄介なのは,こうした話の中で「民法上・・・」「弁護士の話では・・」というように信用度が増すような接頭辞がついているから,聞いている人は間違いなくそれが真実と信じる。自分もロースクール入学前だったら,まったく疑っていなかっただろう。
さらにまだまだ自分は勉強途中の身なので,誤りに気づかないこともあるだろうし,なにがどう間違っているのか,自信を持って正すことができないことも多い。そんなわけで,自信がないうちは,本ブログにもあまり法律の解釈論などは書かないようにしている。