小さな子を持つ親はみんな悩みを持っている。統計を取ったわけではないが,2歳児ぐらいの親で,「困っていること」で多いのは,
- ごはんを食べない
- 言うことを聞かない(風呂,はみがき,おむつがえ)
で,意外にも,発達(言葉など)が遅いなどの悩みはあまり聞いたことがない。
ごはんを食べない,というのは確かに困る。野菜を全く食べようとしなくても,おかしばっかり食べてても,それなりに成長していくのだが,やはり丈夫な体にならないんじゃないか,と心配になる親の気持ちやすごくわかる。周りで聞く限りでは半分ぐらいの親はこの点について不満を漏らす。
次に,「風呂に入りたがらない」「はみがきを極端に嫌がる」「オムツ換えに応じない」などの「イヤイヤ行動」にも多くの場合,悩まされる。ひとつひとつのイヤイヤは大きな問題ではないが,特に,保育園に預けている家庭は,朝晩は時間に追われて生活しているから,はみがきや着替えで抵抗されて10分ロスするだけでも大変なストレスになる。いったい誰のためにやってやってるんだ!という気にもなる。
知り合いから次のような話を聞いた。
新幹線に乗って実家に帰らなくてはいけない日に,どうしてもパジャマから着替えるのを嫌がって,そうとうねばったけど,頑固に嫌がるから,仕方なくパジャマのまま新幹線に乗せて帰郷した
単なる笑い話のようにも聞こえるが,毎日似たような経験をする者からすると,そのときの状況が目に浮かぶ。こういうシーンにおける格闘は,仕事をしていた頃にはなかなか想像できなかった。確かに,どんなワガママなお客さんでも,もう少し歩み寄りの余地はあった。
まったく,どうしてそんなに嫌がるのか,大きくなったときの本人から聞いてみたいものである。