ジャーナリスト門田隆将氏の「太平洋戦争 最後の証言」3部作を約2カ月かけて読み終えた。
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もう80代後半から90代となる元兵士たちの証言をもとに描かれたノンフィクション。終戦から70年近くたったことを考えると,この種の生の証言に基づくノンフィクションは,もうこれが最後になるかもしれない。
各巻の冒頭に次のようなくだりがある。
太平洋戦争の主力となったのは,終戦時,十九歳から三十三歳となっていた大正生まれの若者である。大正に生を享けた男子1348万人のうち,戦死したのは,およそ200万人と推定される。約七分の一が戦争で命を落としているのである。
これを読んで,ふと自分の祖父のことを思い出す。母方の祖父は4年前に92歳で他界し,父方の祖父は今夏96歳で他界した。いずれも長命であったが,元陸軍兵士として,大陸に渡っている。
特に,母方の祖父は終戦後もシベリアでの数年の抑留生活を経験している。また,私が幼少のころは,父方の祖父と共に戦友の家に行ったこともあった。「戦友」という言葉は小学校に上がる前に覚えたと思う。
ただ,それ以上のことは何も知らない。本書に出てくる元兵士たちもそうであるが,戦後,なかなか軍隊生活,戦場の実態については語られることがなかった。我々も特に聞こうとすることもなかった。
本書の証言が,あまりにも生々しく,臨場感を以て伝わってくるだけに,もう少し自分も身の回りの人から話を聞いておけばよかったなと,後悔させられる作品だった。