Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

平成24年司法試験合格発表を受けて

昨日,合格発表があった。毎年このときを迎えると,あれこれ思い出すことはあるが,今年は特別な思いで迎えた。


全体的な話としては,はじめて合格率の低下が止まったとか,予備試験組が初めて試験を受けたとか,その結果,どこのLSよりも高い合格率だったとか,母校LS卒の受験生は今年も頑張ってLS別では最も高い合格率だった・・とか,いろいろあるけれど,とりあえず措く。


今年は,自分のときから数えて5年が経過したけれど,自分のときと同じくらい緊張感を持ってこの日を迎えた。


というのも,弁護士登録して約9か月後,母校LSの未習1年生を相手にゼミを始め,彼らが卒業して受験した結果が発表される日だったから。約2年半,月1,2のペースで,合計で40回少々ゼミをやったことになるが,私が担当した学生に関して言えば,LSのどの先生よりも,よく答案を見たし,傾向・クセがわかっていたと言える。


そのゼミや普段のやり取りでどのようなことをやってきたのかは,このブログでもちょくちょく触れた。


途中で,留年,休学してゼミを離脱した方を除けば,受け控えする人もなく,8人全員が十分に勝負形まできているので,何とか全員合格してくれないかと思いながら,結果の報告を待った。


しかし,発表がなされた午後4時を過ぎても・・なかなか連絡が来ない。


心配になるとともに,ちゃんと報告してくれよ・・と思いながら,仕事しつつソワソワし続けた。


深夜になり,8名中7人から連絡が来た。連絡がない1名は不合格と推定すると,結果は,5人合格,3人不合格。未修者7人のゼミだったので,それを考慮すると,合格率としては大健闘なのかもしれないけれど,正直なところ,これは意外で,合格者が出たことの喜びよりも,残念な気持ちの方が大きかった。何かの理由で力が出なかったのか,全体的なレベルが私が思っていたよりも高いのか,まだよくわからない。


今だから書けることだけれど,初めて会った2年半前,初めて答案を見たり,議論をしたりしたことから感じたのは,5−6人はまず大丈夫だろう,と思ったこと(もちろん,その時点で受験したら無理なんだけれど)。そう考えると,特にゼミは何も貢献していないわけで,いろいろと複雑な思いがわいてくるところだ。


受験前は,「このゼミは決して無償でやってるわけじゃないですよ。通常のタイムチャージレートで報酬を計算しますが,一発合格することを停止条件として免除します。合格発表後に請求書送りますね。」などと冗談を言っていたのだが,もちろん,請求書を送る気も起きない。


合格した人には,心からおめでとうと言いたいし,むしろこれから待ち受ける就職,実務のことについてできる限りのサポートをしていきたいと思う。残念だった人に対してももちろん同じ気持ちではあるが,いずれにせよ,もう押し売り的に尻を叩いたり呼びかけたりするのではなく,本人からの声を待つことにしよう。