Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

平成23年新司法試験短答結果

5月に行われた新司法試験の短答式結果が発表されていたようだ。


http://www.moj.go.jp/content/000074971.pdf

こちらのブログ(http://blog.livedoor.jp/schulze/archives/51866970.html)によれば,短答段階での不合格者が初めて3000人を超え,通過率も3分の2を下回ったようだ。


3000人の答案が採点されないということは,3000人×3日間(9000人日)の答案作成作業がまったく無駄だったということになる。1科目5枚平均で書いたとしたら,3000人×8科目×5枚(12万枚)もの答案が無駄となったわけか。経済的にも大きな損失。


本日,母校ロースクール生のゼミ後に,現役生と話していたら,今年の母校では受け控えが多かったとのこと。確かに167人出願し,142人しか受験していないというのは,これまでなかっただろう(受控率約15%)。受験者中の短答合格率は85%だったので,比較的良好とはいえ,受験者を分母とする短答合格率は72%。これもおそらく過去最低だろう。


全体の受控率が26%ほどであることに照らすとまだマシかもしれないが,願書は出してみたものの,受験を避けて別の道へ進もうとする人が増えたのかもしれない。ロースクール志望者の激減もよく言われていることだが,それだけこの職業への魅力が低下しているということか・・


ロースクール制度を抜本的に変えるとしても,新しい制度の安定までの過渡期を考えると,これから少なくともあと10年くらいは混とんとした状況が続くのだろうなあ。