Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

四期未修者と

ロースクール時代の同期の知り合い繋がりということで,母校ロースクール四期未修者の方々とお話をする機会があった。


もともと話し好きということもあり,かなりの長時間,しゃべり続けた。話せば話すほど,3年前,2年前の状況が思い出され,ついつい熱くなったような気がする。


まだ未修1年生が終わったばかり,ということで,「受験テクニック」「答案作成術」的な話ではなく,抽象論,たとえば,

  • 「理解する」ことと,「覚える」ことの違いと使い分け
  • 勉強する際の「他人(同級生,先生)」の利用方法
  • 基本書,演習書,注釈書などとの接し方


などに関する持論を,エラそうにしゃべったんだと思う。


ただ,同じ大学の同じ未修者コースといえども,私たち1期とはずいぶん状況は異なる。「ロースクール入学試験合格者の内訳」でみれば,1期未修者のうち,「法学部以外又は社会人出身者」は,81%になるが,4期についてみると47%で,半数を切る。逆にいえば,「未修者コース」という名が付いても実態は半数以上は法学部を出てそのまま来た学生,ということのようだ*1


上記のような状況とも関連して,やや不安に感じるのは,「どうして法科大学院に来て,さらに司法試験という難関をくぐりぬけてまで法律家になりたいのか」という問いに対して,ちゃんと答えを持っている人がどれぐらいいるのか,ということだ。


その回答こそが,数年間勉強し続けるためのエネルギーの源泉であるはずなので,ここがブレると,勉強するモチベーションは持続しにくくなる。仮に合格しても,今以上の就職難の状況下では,「ハート」で勝負することはできず,「スペック」だけで選別される。なので,正直なところ,回答に窮するのであれば,敢えて茨の道を選ばずとも,別の道に進むほうが,その後の人生,おもしろおかしく過ごせるだろうし,経済的にも潤う可能性だってあるのだから,方向転換も検討すべきだと思う。

*1:ロースクール研究No.9, 20頁