かつて新婚旅行のおみやげで買った安物のトランプが家の中で発見された。
そこには，一枚ずつ内容の異なる熱帯魚を中心とした海洋生物の絵が書かれており，息子が絵を見て楽しんでいたのだが，それだけでは飽きるだろうと思って，神経衰弱の遊び方を教えた。神経衰弱といえば，大人が子どもにかなわない遊びの代表格である。
教えて３日ほどたつと，満足にルールを覚え，順番を守ったり，ペアを見つけたらもう一回やる，といったことが身についてきた。しかし，この段階では，戦術としてはほぼゼロで，偶然当たることが主な得点源であった。
そのうちに，相手のめくったカードを覚えるようになる。まあ，それでもまだ戦術の洗練度は低く，こちらがある程度手を抜いて，見かけ上互角になるように八百長する，というのがセオリーとなった。
教えてから１週間ほどたった先週末に，ちょっと気を抜いたすきを突かれて負けてしまった。今週に入ると，かなり互角の勝負になってきてしまった。このぶんだと，来週には本気を出してもほとんど勝てなくなってしまいそうである。
