また聞きのまた聞きなので,情報の正確性に自信がないが,本学のある実務家教員がご立腹だということを二人ぐらいから聞いた。しかし,本学ではわれわれ2年次は実務家教員から直接指導を受ける科目がないため,ご立腹の対象は3年次(既修者2年目)ということになる。
その理由は,どうやら次のようなものらしい。
- 考えて答えている人がいない。聞かれたことに対して,知識を返しているだけ。
- だから,こちらの問いかけに対応した回答が得られないし,みな同じ答えが返ってくる。
- はっきり言って,実務上そこまで知識は必要ない。考える力を養わないとまずい。
まあ,これらの話は今はじめて聞いたものでもなく,現在の司法修習生たちが,こういう状況だったといわれていたからこそ,法科大学院によるプロセス重視教育の必要性がいわれたのだから,当然といえば当然だと思う。法科大学院がスタートしてまだ1年,そうそう急に成果が出るとも思えない。
さて,ひるがえって自分たちのことを考えてみると,もちろん「自分のアタマで考える法曹」を目指して入学しているのだが,上記のような状況は容易に想像できる。それどころか,現在の自分もまさに「考えずに書いてあることを書いたり,発言したりしているだけ」に近い。現時点ではそれが精一杯なのが正直なところ。おそらく,このまま行けば,来年もその先生はお怒りになるだろう。
さらに「未修者は多様な経験もあるし,変に現行の受験偏重主義に染まっていないだろうから,大丈夫なんだろうな?」という声も伝え聞いた。まったくもってありがた迷惑な期待だが,みすみす同じ道にはまるのも癪だから,悪あがきをするしかない。