先週の話になるが，ネットゲーム業界の方たちの前でレクチャーをする機会があった。
いただいたお題はRMT(Real Money Trade)だったのだが，この言葉，最近あまり報道で目にしていない。てっきり下火になったのかと思いきや，業界の方たちにしてみれば，まだまだいろいろと悩みが多い問題の一つである。
こんなニッチなテーマでは人が集まらないだろうと思っていたが，意外にたくさんの方たちに参加していただいた。各社から1,2名ずつ，20-30名くらいの方が集まっただろうか。
セミナーというには小規模なのと，そんなに長時間話すネタもないので，できるだけこちらが話す内容は短めにして，あとは双方向で質問，相談を受ける形式にした。同じ業界の方の集まりなので，質問者の質問内容は，他社にとっても興味があるようで，次から次へと関連質問がつながり，ありがたいことに時間が一杯になっても質問が切れることはなかった。
ただ，現状では，RMTを直接に規制する法律はないし，ゲーム業界からみたら好ましくない事業を営む業者がいたとしても，契約関係が存在しなければ，なかなか権利主張することは難しい。
著作権，著作者人格権の間接侵害に関するいくつかの判例を援用しながら手を打つという方法も考えられるが，事案が異なるだけに，適用できるかどうか微妙なケースが多いだろう。
そんなわけで，多くの人に関心を持っていただいたものの，参加者にスッキリ感を味わっていただくことができなかったのが残念である。
