しばらく前に読みかけて積読になっていた本。読み出したら止まらなくて一気に読めた。
小塚先生は、商法、会社法がご専門だけれど、自動運転、仮想通貨、電子マネーなど、ITと関わりのある新しい分野を積極的に取り組まれているという印象がある。
本書はその「新しい分野の全部盛り」という感じで、新書らしいテーマを取り上げ、かつわかりやすく俯瞰的な立場から分析されている。
本書を読むと、AI、プライバシー、シェアリングエコノミー、暗号通貨、自動運転、スマートコントラクト、ブロックチェーン、ロボットなど「全部に付いていくのはもう無理だよ」というような話題について広くおさらいしてくれているので、もう一度新しいテーマにも食らいついていこうという気にさせられる。
視野も非常に広い。法律の条文を解説する場面はほとんどなく、海外の規制の状況や、歴史的背景についても丁寧に説明してくれている(ローマ法もたびたび登場する。)。特に新しい分野に取り組んでみたい法学部生、ロースクール生、修習生にはお勧め。