Footprints

弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

「Business Law Journal休刊」の報に接して

事前にお知らせをいただいていたのだけれども,本日,正式にレクシス・ネクシスジャパン社のBusiness Law Journal誌(以下「BLJ」)を休刊するとのリリースが出された。

 「雑誌『Business Law Journal』の休刊のお知らせ 」

https://www.businesslaw.jp/pdf/BLJ_announcement_202012.pdf

 

このことは,「残念だ」の1ツイートで済ませられないほど残念なので,やっている作業の手を止めてこのエントリを書くことにした。

上記リリースによれば,BLJが創刊されたのは2008年2月とのこと。確かこのころは隔月だったのではないか。私が弁護士登録したのは2008年12月なので,敢えて大げさにいえば自分の弁護士人生はBLJとともに歩んできた。

なかなか取っつきにくいビジネス法務分野のトピックについて,大判,カラーで図表も多めに書かれていたので,新人にとってはありがたい情報源だった。書店で売っていたというのも好印象だった。

そうこうしているうちに,BLJから執筆の機会をいただいた。

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2012年12月だったかと思う。ブックレビューを依頼され,大変うれしい気持ちで「システム開発」をテーマに(法律書じゃないものを中心に)書かせていただいた。

その後も,2度ほど,いずれもシステム開発に関わる論考の執筆機会をいただくうちに,このテーマで書籍を出さないか,というお話をいただいた。

2015年にレクシスネクシス社から出版された「システム開発紛争ハンドブック」である(松島弁護士との共著)。なお,2018年に本書は第一法規から改訂版が出されている(下記リンクは旧版なので,ご注意)。

私自身,システム開発関連の紛争をずっと取り扱ってきて,業務の柱にしてきたつもりだけれど,それは,実務をやって経験を積んだことと,こうして外に情報発信する機会を通じて調査・検討したことの相乗効果があったからこそだと思っている。特に事務所などの何のコネもない中で,こうして執筆の機会をいただけたことは「ありがたい」という言葉では言い尽くせない。むしろ今の弁護士としての自分があるのも,BLJの編集のみなさまのお陰だ。

BLJには,自分のインプットとアウトプットの機会を与えてくれただけではなく,ネットワーキングにおいても大変お世話になった。

masahiroito.hatenablog.com

2012年7月に法務系ライトニングトーク(LT)というのに参加した。その当時,ツイッターやブログを細々とやっていて,「この人に会ってみたいな」「この人はどんな人だろう」と思いながら眺めていたところ,このLTで,そうした人たちと一気にオフラインで会うことができた。このときの会場を提供してくれたのがBLJ(レクシスネクシスジャパン)で,確か三軒茶屋のキャロットタワーの一室でピザを食べながら,ほぼ全員が初対面という中で順に挨拶をしてオフラインミーティングデビューをした。

そこから先は芋づる式に人脈が広がっていった。

などなど,BLJについて語りだすとまだまだ話は尽きないのだけれども,とにかく,中の人たちにはこの場を借りてまたお礼を申し上げるとともに,中の人たちのますますのご活躍を応援したい。

ps この休刊の挨拶,「ラストメッセージin最終号事件」(東京地判平7.12.18)に照らしても著作物性は優に認められそうですね!