毎年秋になると,「六法」を買う。
法科大学院性のときは,有斐閣の『ポケット六法』を使っていた。
もちろん,とても「ポケット」に収まるサイズではないけれど,市販の六法としては最小の部類に入る。法科大学院生の途中で,二冊組の判例六法が新たに出たので,試験直前の条文素読と判例確認用に購入した。
その後,弁護士になってからは,プロはやっぱり模範六法だよな,と思って,それ以来,毎年模範六法を使い続けている。
ある先輩は,六法は武士にとっての刀のようなものだから,常に研ぎ澄ませておかなければならないといっていた。ところが,ここ数年,「もう買い替えの時期か?」と思うほど,ほとんど手垢のついていない(前年に購入した)六法を処分するようになった。
その理由はもちろんe-GOVを使うことが増えたから。その理由は,検索等が便利なだけでなく,老眼の進行著しくて,眼鏡なくして紙の六法を見るのが辛くなったからでもある。
その割には模範六法はデスクで一番存在感があって半分オブジェになりつつあった(とはいえまったく使わないのではなく,特に今年は債権法改正の影響もあって,それなりには使っている。)。
ふと考えてみると,紙の六法をひくのは,民法,会社法がほとんどで,特許法,著作権法などの知財法を見るときは発明協会の法文集を使っているし,それ以外の法律のときはe-GOVを見ている。
そう考えると,わざわざ字が小さくて,場所をとる模範六法を使うメリットがあるとしたら条文の横についている判例が目に入ることによって何らかの「気づき」を得るくらいである。そのメリットも捨てがたいが,使いやすさを考えて令和3年版からは13年ぶりに「ポケット六法」に戻ってきた。
六法の字がとても大きく見えるし,法律が絞り込まれてるから探しやすい。
ところで,e-GOVは,本ブログ作成中にメンテナンスのため停止している。
驚くべき7日間にわたる停止。通常の企業の外部サービスが7日間も停止することがあるだろうか(メガバンクの勘定系システムの統合でも,トータルでは7日以上だったと思うが,分散して週末に限定していたかと思う。)。
もちろん,元システム屋としては,システムの更改が正月,GW,お盆時に集中して,まともに長期の休みが取れないという慣行は,働き方改革に反するし,肯定すべきではないけれども。