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弁護士・伊藤雅浩による仕事・趣味・その他雑多なことを綴るブログ(2005年3月開設)

水野祐@情熱大陸を見た

5月1日日曜放送の「情熱大陸」は,水野祐弁護士(62期)。


http://www.mbs.jp/jounetsu/2016/05_01.shtml


一言でいえば,超かっこいい。私は水野さんの人となりや仕事,実績のほんの一部しか知らないが,以下は,勝手に自分なりの解釈も交えて番組の感想を。


テレビに出たスター弁護士と知り合いだよ!ということをアピールしたいわけではないけれど,水野さんとは2,3年前に知り合った。この業界にいると,いやというほど優秀な人に出会う機会があるから,優秀だとか,やり手だ,というだけではフツーの域を出ない。私が水野さんのことを人に説明するときは「業界を変える可能性のある人」「本当の意味でのフロンティア」という表現を使ってきたけれど,この番組でもそんな雰囲気をうまく伝えていた。


番組で,「法令遵守=思考停止ではないか?」という問題提起があった。思わず膝を叩く。弁護士,法務は保守的,ブレーキ役だというイメージを持たれがちではあるが,実は非常にクリエイティブな仕事でもある。ルールは必ずしも所与のものではない。そのルールに合わせて,ビジネスをうまく立ち上げるためのサポートをする重要な仕事。短いシーンだったけど,そういう部分を伝えてくれる映像だった*1


水野さんは,必要以上に熱い思いを表に出していない。儲けよう,とガツガツした雰囲気もない。弁護士7年目ということは,この業界ではまだ若手で「大御所」と呼ばれる世代ではない。それでもクライアントと仕事に囲まれる売れっ子。こうしてみると,クライアントは,業界,仕事に対する愛情,思いをよく見ているのではないかと感じる。人生,ビジネスの一大事に直面したクライアントは,能力,実績が十分な弁護士にお任せしたいと思う一方で,その能力が客観的に担保される仕組みがなく,その判断も難しいとなると,結局,信頼感であったり,その人の愛情,思いで弁護士を選んでいるのかもしれない*2。「愛情」「思い」が重要な要素であり,若手にも十分にチャンスがあるのではないかと思える。修習生,ロースクール生にもたくさんの夢を与える番組だった(本人にそういう意識はまったくないと思うけど)。


水野さん自身のツイッターによると,十分に伝えきれないもどかしさのようなものを感じていたようだけれど,私としては,弁護士の仕事のクリエイティブさの一部を伝えられ,かつ,若手法曹志願者に夢を与えられるいい番組だと思った。

*1:こういうクリエイティブな仕事は,必ずしも水野さんの専売特許ではない(笑)。水野さんだけでなく,他の弁護士も,こういう活動をしていることを知ってほしい。

*2:こう書いてしまうと,水野さんは愛情,思いだけで売れっ子になったという誤解が生じそうだが,そういう意味ではない。